13.経気管支肺生検が診断の契機となった全身性アミロイドーシスの1例(第32回日本呼吸器内視鏡学会九州支部会)
症例は84歳男性. 2008年11月全身倦怠感, 吃逆を主訴に当科受診. 初診時の胸部単純写真, 胸部単純CTで両側下葉胸膜下にair bronchogramを伴うconsolidationを認めた. 細菌性肺炎を疑い抗生剤投与したが, 改善は認められなかった. 器質化肺炎を疑い, 経気管支肺生検を施行. 病理組織検査の結果, organizing pneumoniaの所見であったが, 脈管及び気管支壁にアミロイド(AL)の沈着を認めた. 器質化肺炎に関してはプレドニン(R)内服後著明に画像所見が改善した. 上部消化管内視鏡検査, 舌生検施行したところ, 十二指腸よりアミロイドが検出, 吃逆は...
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| Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 31; no. 5; p. 350 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2009
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.31.5_350_1 |
Cover
| Summary: | 症例は84歳男性. 2008年11月全身倦怠感, 吃逆を主訴に当科受診. 初診時の胸部単純写真, 胸部単純CTで両側下葉胸膜下にair bronchogramを伴うconsolidationを認めた. 細菌性肺炎を疑い抗生剤投与したが, 改善は認められなかった. 器質化肺炎を疑い, 経気管支肺生検を施行. 病理組織検査の結果, organizing pneumoniaの所見であったが, 脈管及び気管支壁にアミロイド(AL)の沈着を認めた. 器質化肺炎に関してはプレドニン(R)内服後著明に画像所見が改善した. 上部消化管内視鏡検査, 舌生検施行したところ, 十二指腸よりアミロイドが検出, 吃逆は消化管アミロイドーシスによる蠕動機能の低下を誘因とするものと考えられた. また, 全身性アミロイドーシスの原因疾患として多発性骨髄腫が考えられたため, 精査を行ったがB-J蛋白陰性, 骨髄像からも否定的であり, 原発性アミロイドーシスと診断した. 同時に施行した心エコーで心アミロイドーシスを疑う所見を認めたが, 侵襲を考慮し生検は施行しなかった. 高齢でもあるため未治療で経過観察を行う方針となり, 現在も著変なく外来通院中である. 今回我々は稀な疾患であるアミロイドーシスの1例を経験したので, 多少の文献的考察を加え報告する. |
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| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.31.5_350_1 |