8.再発性多発軟骨炎による気管気管支軟化症に対してUltraflexステント留置が呼吸状態改善に有効であった1例(第32回日本呼吸器内視鏡学会九州支部会)
【背景】再発性多発性軟骨炎は全身の軟骨組織が系統的に傷害されることにより多彩な病態を呈し, その中でも気道病変が予後を左右するとされる. 【症例】20歳女性, 2006年1月に右耳介, 鼻, 喉頭の軟骨炎を発症し, 前医で再発性多発軟骨炎と診断された. 2006年4月呼吸困難が出現し, 気管切開が施行された. 以後ステロイドパルス療法, エンドキサン(R)パルス療法, MTX・アザチオプリン併用療法, インフリキシマブ, エンブレル(R)投与を行うも疾患制御困難で, トシリズマブ投与により病勢は一旦落ち着いていた. 経過中に臥位による呼吸困難, 気管支炎の併発, 喀痰排出困難が増悪してきたため...
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| Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 31; no. 5; pp. 348 - 349 |
|---|---|
| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2009
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.31.5_348_4 |
Cover
| Summary: | 【背景】再発性多発性軟骨炎は全身の軟骨組織が系統的に傷害されることにより多彩な病態を呈し, その中でも気道病変が予後を左右するとされる. 【症例】20歳女性, 2006年1月に右耳介, 鼻, 喉頭の軟骨炎を発症し, 前医で再発性多発軟骨炎と診断された. 2006年4月呼吸困難が出現し, 気管切開が施行された. 以後ステロイドパルス療法, エンドキサン(R)パルス療法, MTX・アザチオプリン併用療法, インフリキシマブ, エンブレル(R)投与を行うも疾患制御困難で, トシリズマブ投与により病勢は一旦落ち着いていた. 経過中に臥位による呼吸困難, 気管支炎の併発, 喀痰排出困難が増悪してきたため, 2008年5月当科紹介入院となった. CTでは気管前壁を主体に肥厚し, 気管から両側主気管支にかけて高度の狭窄を認めた. 高度の声門下狭窄をきたし, 気管支ファイバーの通過困難であったため, 声帯よりガイドワイヤーを挿入し, 透視下でステントを留置した. 気管内に2個のUltraflexステントを, 翌月左主気管支にUltraflexステントを留置した. 以後, 仰臥位での呼吸困難は改善し, 喀痰排出困難の増悪も認めなかった. 【結語】今回気道病変を呈した再発性多発軟骨炎に対してUltraflexステント留置が呼吸状態改善に有用であった症例を経験した. 本疾患の予後には気管病変の関与が大きく, 気管狭窄に対する厳重な観察・管理が重要であると考えられた. |
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| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.31.5_348_4 |