スリーブ区域切除術を行った右 B^6 肺門部肺癌の 1 例

症例は70歳の男性。血痰を主訴に当院外来を受診, 胸部単純写真では異常影を認めなかったものの, 気管支鏡検査で右B^6入口部粘膜の不整・充血像を認め, 生検で中等度分化型扁平上皮癌と診断された。c-T1N0M0 Stage Iの術前診断により, 右中葉と肺底区を温存するためにスリーブS^6区域切除とR2aの肺門縦隔リンパ節郭清を施行した。術後はB^7の狭窄を認めたが, 呼吸機能低下もなく順調に経過した。術後病理報告でB^6周囲の#12 1リンパ節にのみ転移を認めたものの, 術後15ヵ月を経過した現在も, 再発の徴候なく外来にて経過観察中である。末梢型早期肺癌同様, 肺門部早期肺癌症例においても...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 18; no. 1; pp. 90 - 94
Main Authors 日吉, 晴久, 岩波, 洋, 立花, 正徳, 成田, 久仁夫, 坪井, 栄孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1996
日本気管支学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.18.1_90

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Summary:症例は70歳の男性。血痰を主訴に当院外来を受診, 胸部単純写真では異常影を認めなかったものの, 気管支鏡検査で右B^6入口部粘膜の不整・充血像を認め, 生検で中等度分化型扁平上皮癌と診断された。c-T1N0M0 Stage Iの術前診断により, 右中葉と肺底区を温存するためにスリーブS^6区域切除とR2aの肺門縦隔リンパ節郭清を施行した。術後はB^7の狭窄を認めたが, 呼吸機能低下もなく順調に経過した。術後病理報告でB^6周囲の#12 1リンパ節にのみ転移を認めたものの, 術後15ヵ月を経過した現在も, 再発の徴候なく外来にて経過観察中である。末梢型早期肺癌同様, 肺門部早期肺癌症例においても術後肺機能温存を図った縮小手術は, 有用な術式であると思われた。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.18.1_90