26.胸腔鏡下肺生検を行ったリンパ増殖性疾患に伴う肺病変の1例(第110回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

65歳女性. 2002年9月の検診にて胸部レントゲン上両側多発結節を指摘. 自覚症状はなし. 血液検査で高ガンマグロブリン血症を認め, 可溶性IL2レセプターは1410U/リットルであった. 胸部CT上, 縦隔リンパ節の腫大, 肺野には腫瘤陰影の他に多発する結節陰影を認めた. びまん性肺疾患の鑑別のためまず気管支鏡下肺生検(TBLB), 気管支肺胞洗浄(BAL)をおこなった. BALではリンパ球の増加(22%)を認め, TBLBで肉芽腫性病変が疑われるとの結果であった. サルコイドーシス, リンパ増殖性疾患などを想定し胸腔鏡下肺生検を施行した. 病理所見はリンパ球, 形質細胞の広義間質浸潤とリ...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 27; no. 1; p. 78
Main Authors 土屋, 裕, 中村, 貴幸, 大塚, 英彦, 鍵山, 奈保, 武田, 純一, 成島, 道昭, 山下, 潤, 菊池, 敏樹, 倉石, 博, 蓮本, 誠, 鈴木, 一, 増永, 敦子, 光谷, 俊幸, 冨田, 尚吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2005
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.27.1_78_3

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Summary:65歳女性. 2002年9月の検診にて胸部レントゲン上両側多発結節を指摘. 自覚症状はなし. 血液検査で高ガンマグロブリン血症を認め, 可溶性IL2レセプターは1410U/リットルであった. 胸部CT上, 縦隔リンパ節の腫大, 肺野には腫瘤陰影の他に多発する結節陰影を認めた. びまん性肺疾患の鑑別のためまず気管支鏡下肺生検(TBLB), 気管支肺胞洗浄(BAL)をおこなった. BALではリンパ球の増加(22%)を認め, TBLBで肉芽腫性病変が疑われるとの結果であった. サルコイドーシス, リンパ増殖性疾患などを想定し胸腔鏡下肺生検を施行した. 病理所見はリンパ球, 形質細胞の広義間質浸潤とリンパ濾胞形成を背景に境界不明瞭な結節性病変を認め, リンパ増殖性疾患に伴う肺病変と診断した. その後多発結節は自然消失し, 2004年8月現在外来で再発なく経過観察中である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.27.1_78_3