8.非常に稀な気管支原発MALTリンパ腫の1例(第73回日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会)

症例は34歳, 女性. 突然の背部痛と呼吸困難のため近医を受診, 軽度の左気胸を認め経過観察されたが改善しないため当院紹介入院となった. 胸腔ドレナージにより気胸は軽快したが, 胸部CTで左肺門部に腫瘤影及び左主気管支の狭窄を認めたため気管支鏡検査を施行, 左主気管支入口部から上下幹分岐部手前まで表面発赤し凹凸のある敷石状腫瘤により左 主気管支は全周性に狭窄し, 気管分岐部及び気管膜様部に一部浸潤していた. 気管支鏡下生検を行い, 病理組織所見及び遺伝子解析の結果MALTリンパ腫と診断された. 全身検索の結果, 病変は気管支に限局していたため放射線治療を開始(総線量50Gy), CRが得られ,...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 25; no. 6; p. 485
Main Authors 尾崎, 智博, 瀧藤, 伸英, 武田, 晃司, 多田, 弘人, 長谷川, 喜一, 山本, 良二, 片山, 博文, 寺川, 和彦, 東条, 尚, 根来, 俊一, 出口, 寛, 池田, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2003
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.25.6_485_3

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Summary:症例は34歳, 女性. 突然の背部痛と呼吸困難のため近医を受診, 軽度の左気胸を認め経過観察されたが改善しないため当院紹介入院となった. 胸腔ドレナージにより気胸は軽快したが, 胸部CTで左肺門部に腫瘤影及び左主気管支の狭窄を認めたため気管支鏡検査を施行, 左主気管支入口部から上下幹分岐部手前まで表面発赤し凹凸のある敷石状腫瘤により左 主気管支は全周性に狭窄し, 気管分岐部及び気管膜様部に一部浸潤していた. 気管支鏡下生検を行い, 病理組織所見及び遺伝子解析の結果MALTリンパ腫と診断された. 全身検索の結果, 病変は気管支に限局していたため放射線治療を開始(総線量50Gy), CRが得られ, 現在外来で経過観察中である. 文献によれば肺原発の悪性リンパ腫はリンパ腫全体の約0. 4%であり, 肺原発MALTリンパ腫のほとんどは末梢性で, 今症例のように左主気管支に原発し内視鏡下に病変を直視しえた症例は極めて稀と考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.25.6_485_3