7.肺癌に合併したBronchial Fibroepithelial Polypの1例(第31回 日本呼吸器内視鏡学会北海道支部会)

• Published in: The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 1; pp. 81 - 82
• Main Authors: 中山, 母衣, 山本, 宏司, 田中, 明彦, 三品, 泰二郎, 成松, 英明
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2010; 日本呼吸器内視鏡学会; The Japan Society for Respiratory Endoscopy
• ISSN: 0287-2137; 2186-0149
• DOI: 10.18907/jjsre.32.1_81_4

気管支原発の線維上皮腫（Bronchial Fibroepithelial Polyp）は, 気管支の炎症性ポリープの中で線維腫型に分類される稀な良性腫瘍である. 症例は84歳, 男性. 近医にてCOPDにて加療中であったが, 右上肺野の異常陰影を指摘され当科を受診した. 胸部CTでは, 両肺の気腫性変化に加えて, 右S 1末梢に約2cm大の不整形の結節陰影を認めた. PET検査ではSUV＝12.6と集積を認めたが, 他の部位に集積はなかった. また, 脳MRIおよび腹部CTでも転移は見られなかった. 気管支鏡検査では, 右上葉B 3入口部に表面平滑で光沢のあるポリープ状腫瘤を認めた. 白色からやや赤みを帯びた色調で, 軽度の凹凸不整を認めたが, 易出血性ではなかった. 生検所見では, 表面は一部扁平上皮化生が認められ, 大部分は多列線毛上皮に覆われており, その下層は毛細血管に富む線維性組織で構成され, 脂肪組織も混在していた. 悪性像はなく, 線維上皮腫と診断された. また, 右S 1末梢の不整形の結節陰影は擦過細胞診では疑陽性の診断であったが, PET検査で集積を認めたことも考え合わせて肺癌を疑い手術（右上葉部分切除）を行った. 術後所見では, 2.1×1.8cm大の扁平上皮癌で, pT1N0M0であった.