36. 石綿小体を検出した石綿関連肺癌の1例(第15回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

症例は62歳, 男性. 主訴は右手のしびれで, 電気工事やビルの改修工事に30年従事した. 5月頃から頭痛とともに, 作業時に右手が思うように動かないことを自覚した. 10月になって息苦しさが生じてきたために近医を受診. 肺炎を指摘され, 合わせてMRIで脳内の多発結節像が明らかになった. 精査のために入院となり, 胸部CTで右肺門から心臓右縁にかけて辺縁不整な腫瘍を認めた. 気管支内視鏡検査で, 右B7入口部の腫脹, 発赤と狭窄あり, 同部の生検により小細胞癌の診断を得た. 右B7の洗浄液から石綿小体が確認されたが, 右B4で施行したBAL液からは石綿小体は確認されなかった. 労災基準として...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 2; p. 125
Main Authors 渡辺, 悦子, 菅原, 文博, 藤原, 恵, 國原, 依里子, 有田, 健一, 新田, 朋子, 三戸, 晶子, 大橋, 信之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2007
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.29.2_125_5

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Summary:症例は62歳, 男性. 主訴は右手のしびれで, 電気工事やビルの改修工事に30年従事した. 5月頃から頭痛とともに, 作業時に右手が思うように動かないことを自覚した. 10月になって息苦しさが生じてきたために近医を受診. 肺炎を指摘され, 合わせてMRIで脳内の多発結節像が明らかになった. 精査のために入院となり, 胸部CTで右肺門から心臓右縁にかけて辺縁不整な腫瘍を認めた. 気管支内視鏡検査で, 右B7入口部の腫脹, 発赤と狭窄あり, 同部の生検により小細胞癌の診断を得た. 右B7の洗浄液から石綿小体が確認されたが, 右B4で施行したBAL液からは石綿小体は確認されなかった. 労災基準として提示されている石綿小体についてその評価に関する私見を述べる.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.29.2_125_5