14.気管支内異物(魚骨)の刺激により発生したと思われた肺癌の1例(第26回日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)

気管支上皮に対する慢性刺激が誘因となり癌が発生することはよく知られている. 今回, われわれは気管支内異物(魚骨)の刺激により発生したと思われた肺癌の1例を経験した. 喫煙や珪肺などに由来する肺癌は有名であるが気管支内異物が原因と考えられる肺癌症例の報告はほとんどなく極めて稀であり報告する. 症例は69歳男性. 喫煙歴は20本/日を50年間. H5年頃に魚骨を誤嚥し, 近医耳鼻科受診したが異常なく自覚症もなかったため放置. 3年程前より咳嗽, 痰を認め, 近医にて慢性気管支炎として加療される. 症状改善なく, H15年1月より喘鳴, 呼吸困難が出現. 右肺門部に腫瘤影を認め, 精査加療のため入...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 25; no. 7; p. 579
Main Authors 加治木, 章, 若松, 謙太郎, 永田, 忍彦, 原田, 進, 原田, 泰子, 岩田, 安弘, 北原, 義也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2003
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.25.7_579_2

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Summary:気管支上皮に対する慢性刺激が誘因となり癌が発生することはよく知られている. 今回, われわれは気管支内異物(魚骨)の刺激により発生したと思われた肺癌の1例を経験した. 喫煙や珪肺などに由来する肺癌は有名であるが気管支内異物が原因と考えられる肺癌症例の報告はほとんどなく極めて稀であり報告する. 症例は69歳男性. 喫煙歴は20本/日を50年間. H5年頃に魚骨を誤嚥し, 近医耳鼻科受診したが異常なく自覚症もなかったため放置. 3年程前より咳嗽, 痰を認め, 近医にて慢性気管支炎として加療される. 症状改善なく, H15年1月より喘鳴, 呼吸困難が出現. 右肺門部に腫瘤影を認め, 精査加療のため入院となる. 原発性肺癌を疑い気管支鏡を施行. 右主気管支入口部にほぼ閉塞するように腫瘍(扁平上皮癌)を認め, 内部に約3cm大の硬い異物が陥入していた. 現病歴より魚骨と判断された. 現在, 放射線療法, 化学療法の加療をおこない軽快している.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.25.7_579_2