34. 気管粘膜に多発隆起病変を認めたMALTリンパ腫の1例(第15回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

症例は54歳女性. 関節リウマチにてメソトレキセート, D-ペニシラミンを内服中であったが, 2006年9月の検診にて胸部異常陰影を指摘された. 胸部CTでは左上葉の浸潤影, 両肺の多発結節影を認めたため, 気管支鏡を施行した. 左S3末梢の浸潤影より生検を行ったが確定診断は得られなかった. ただし気管に多発隆起病変がみられたため生検したところ, これらの病変はMALTリンパ腫であった. 上部消化管内視鏡では特記すべき異常は認められず, CT, PET/CT, 骨髄穿刺等の検査を行い, MALTリンパ腫(Stage IVB)と診断し, R-CHOP療法を開始した. 気管粘膜の病変と同様, 肺野...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 2; p. 125
Main Authors 瀧川, 奈義夫, 武田, 洋正, 池田, 元洋, 谷本, 安, 久保, 寿夫, 市村, 浩一, 田端, 雅弘, 金廣, 有彦, 早稲田, 公一, 柏原, 宏美, 木浦, 勝行, 谷本, 光音, 三宅, 賢一, 藤井, 昌学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2007
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.29.2_125_3

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Summary:症例は54歳女性. 関節リウマチにてメソトレキセート, D-ペニシラミンを内服中であったが, 2006年9月の検診にて胸部異常陰影を指摘された. 胸部CTでは左上葉の浸潤影, 両肺の多発結節影を認めたため, 気管支鏡を施行した. 左S3末梢の浸潤影より生検を行ったが確定診断は得られなかった. ただし気管に多発隆起病変がみられたため生検したところ, これらの病変はMALTリンパ腫であった. 上部消化管内視鏡では特記すべき異常は認められず, CT, PET/CT, 骨髄穿刺等の検査を行い, MALTリンパ腫(Stage IVB)と診断し, R-CHOP療法を開始した. 気管粘膜の病変と同様, 肺野の陰影についてもMALTリンパ腫病変が疑われるため, R-CHOP療法による陰影の変化をフォローアップする予定である. 今回我々は気管粘膜に病変を有する稀なMALTリンパ腫を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.29.2_125_3