3.検診で発見され,骨形成を伴った気管支内過誤腫の1例(第18回 日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

症例は52歳の女性. 1年前の検診では異常を指摘されていなかった. 本年の肺癌検診にて左上肺野に腫瘤陰影を認め, 当院に紹介された. 胸部X線では左肺尖縦隔側に径3×4cmの腫瘤影を認め, 胸部CTでは左S1+2に, 内部に嚢胞状の低吸収域と造影効果を有する腫瘤影を認め, 中枢側には石灰化も認めた. FDG-PETではSUV(max)6.2の集積を認めた. 血清腫瘍マーカー, 炎症反応は陰性であった. 気管支内視鏡検査では左B1+2入口部に突出する表面平滑な腫瘤を認め, それによりB1+2は完全に閉塞していた. 腫瘤周囲から膿汁の分泌を認めた. 擦過, 経気管支生検では診断が得られず, 臨床経...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 2; p. 196
Main Authors 門脇, 徹, 徳島, 武, 池田, 敏和, 矢野, 修一, 木村, 雅広, 竹山, 博泰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2010
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.32.2_196_3

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Summary:症例は52歳の女性. 1年前の検診では異常を指摘されていなかった. 本年の肺癌検診にて左上肺野に腫瘤陰影を認め, 当院に紹介された. 胸部X線では左肺尖縦隔側に径3×4cmの腫瘤影を認め, 胸部CTでは左S1+2に, 内部に嚢胞状の低吸収域と造影効果を有する腫瘤影を認め, 中枢側には石灰化も認めた. FDG-PETではSUV(max)6.2の集積を認めた. 血清腫瘍マーカー, 炎症反応は陰性であった. 気管支内視鏡検査では左B1+2入口部に突出する表面平滑な腫瘤を認め, それによりB1+2は完全に閉塞していた. 腫瘤周囲から膿汁の分泌を認めた. 擦過, 経気管支生検では診断が得られず, 臨床経過, 画像診断から悪性腫瘍が否定できなかったため, 左上区切除を施行した. 組織学的には左B1+2入口部に骨形成を伴う過誤腫が形成されており, 末梢は閉塞性肺炎の像であった. 気管支内過誤腫の報告は稀ではないが, 骨形成を伴う症例は極めて少ないため, 貴重な1例と考え報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.32.2_196_3