達成目標と動機づけ調整方略の有効性の認識の適切さ

「問題と目的」学習者が, 動機づけが低下した際に自らの動機づけを高めるようにとる方略は, 動機づけ調整方略と呼ばれる. 学習者は動機づけを高めるために学習内容を自分の興味と結び付けて考えたり, 学習後に得られる外的な報酬を想起したりと様々な動機づけ調整方略を用いている(Wolters, 1998). 動機づけ調整方略の使用に関する個人差に着目した研究からは, 動機づけ調整方略には学習への取り組みの促進に有効なものと, 有効とはいえないものがあることが示されている. 例えば日本人大学生の動機づけ調整方略尺度に着目した研究からは, 外部報酬に頼らないような自律的な動機づけ調整方略の使用と学習の取り...

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Published inパーソナリティ研究 Vol. 26; no. 2; pp. 163 - 166
Main Author 後藤, 崇志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本パーソナリティ心理学会 01.11.2017
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ISSN1348-8406
1349-6174
DOI10.2132/personality.26.2.10

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Summary:「問題と目的」学習者が, 動機づけが低下した際に自らの動機づけを高めるようにとる方略は, 動機づけ調整方略と呼ばれる. 学習者は動機づけを高めるために学習内容を自分の興味と結び付けて考えたり, 学習後に得られる外的な報酬を想起したりと様々な動機づけ調整方略を用いている(Wolters, 1998). 動機づけ調整方略の使用に関する個人差に着目した研究からは, 動機づけ調整方略には学習への取り組みの促進に有効なものと, 有効とはいえないものがあることが示されている. 例えば日本人大学生の動機づけ調整方略尺度に着目した研究からは, 外部報酬に頼らないような自律的な動機づけ調整方略の使用と学習の取り組みは正に関連するが, 他者とともに学習する協同方略や成績を意識して動機づけを高める成績重視方略は必ずしも学習の取り組みを高めるとは限らないことを示唆する結果が得られている(梅本・田中, 2012; 梅本・伊藤・田中, 2016).
ISSN:1348-8406
1349-6174
DOI:10.2132/personality.26.2.10