中咽頭後壁癌の臨床的検討
癌研究会附属病院頭頸科で治療した中咽頭後壁癌9例の臨床像や治療結果などについて報告した.9例はすべて男性で,平均年齢は64.1歳であった.病期はStage I:1例,II:1例,III:1例,IV:6例で,全例扁平上皮癌であった.9例中6例は初診時にリンパ節転移を伴っていた.咽頭後リンパ節転移は4例に認められた.重複癌が5例にみられた.9側中3例には放射線根治照射を行い,6例には手術中心の治療を行った.その結果,原発巣制御率は50%,5年無病生存率は22%であった.手術が行われた6例の内,4例に喉頭全摘が行われた.死因は6例が原病死,1例が他癌死であった. 中咽頭後壁癌はまれな疾患で,他の中咽...
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| Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 105; no. 8; pp. 882 - 886 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | English Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
2002
日本耳鼻咽喉科学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
| DOI | 10.3950/jibiinkoka.105.882 |
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| Summary: | 癌研究会附属病院頭頸科で治療した中咽頭後壁癌9例の臨床像や治療結果などについて報告した.9例はすべて男性で,平均年齢は64.1歳であった.病期はStage I:1例,II:1例,III:1例,IV:6例で,全例扁平上皮癌であった.9例中6例は初診時にリンパ節転移を伴っていた.咽頭後リンパ節転移は4例に認められた.重複癌が5例にみられた.9側中3例には放射線根治照射を行い,6例には手術中心の治療を行った.その結果,原発巣制御率は50%,5年無病生存率は22%であった.手術が行われた6例の内,4例に喉頭全摘が行われた.死因は6例が原病死,1例が他癌死であった. 中咽頭後壁癌はまれな疾患で,他の中咽頭癌にくらべて難治と考えられるため,今後さらに症例を重ねて有効な治療法について検討する必要がある. |
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| ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
| DOI: | 10.3950/jibiinkoka.105.882 |