経皮的椎体形成術
脊椎腫瘍や骨粗鬆症性の圧迫骨折に対し, 経皮的椎体形成術が注目されている. 疼痛緩和と脆弱化した罹患骨の補強を極めて短期間に得ることができる低侵襲治療である. 「I はじめに」経皮的椎体形成術は, 椎体骨折や脊椎腫瘍による不安定な椎体に対して, 経皮的に穿刺針を通して骨セメントを注入することにより, 短期間に疼痛緩和と脆弱化した罹患骨の補強を得ようとする低侵襲治療である. 1984年にフランスで椎体血管腫に骨セメント製剤(PMAA;polymetyl metacrylate)を注入したことが最初の臨床応用であり, 1987年にGalibertら1)により報告された. ヨーロッパにおいては椎体の...
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Published in | THE SHINSHU MEDICAL JOURNAL Vol. 56; no. 5; pp. 325 - 326 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
信州医学会
2008
The Shinshu Medical Society |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-3826 1884-6580 |
DOI | 10.11441/shinshumedj.56.325 |
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Summary: | 脊椎腫瘍や骨粗鬆症性の圧迫骨折に対し, 経皮的椎体形成術が注目されている. 疼痛緩和と脆弱化した罹患骨の補強を極めて短期間に得ることができる低侵襲治療である. 「I はじめに」経皮的椎体形成術は, 椎体骨折や脊椎腫瘍による不安定な椎体に対して, 経皮的に穿刺針を通して骨セメントを注入することにより, 短期間に疼痛緩和と脆弱化した罹患骨の補強を得ようとする低侵襲治療である. 1984年にフランスで椎体血管腫に骨セメント製剤(PMAA;polymetyl metacrylate)を注入したことが最初の臨床応用であり, 1987年にGalibertら1)により報告された. ヨーロッパにおいては椎体の血管腫, 転移性骨腫瘍, 多発性骨髄腫, 悪性リンパ腫など脊椎腫瘍に起因する疼痛緩和を目的に行われていた. 1990年代後半になり, 米国では骨粗鬆症による圧迫骨折に対する報告がなされ, その疼痛緩和の劇的な効果を背景に急速に普及した(米国では2005年におよそ80,000例に施行と推計されている). |
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ISSN: | 0037-3826 1884-6580 |
DOI: | 10.11441/shinshumedj.56.325 |