病院搬入前における救護の高度化と医療の導入
「I はじめに」わが国の救急医療は1931年日本赤十字社大阪支部で開始され, 1933年から大都市圏の警察組織のなかで救急自動車運用が見られるようになり, 1948年以降は自治省(現: 総務省)消防庁の指揮下で救急業務が行われている. 厚生省は1964年の救急医療機関告示制度を発足させ, 1977年には機能別に初期・二次・三次救急医療機関に分類し, 医療体制を整備した. しかし, 心肺停止者(CPA)の救命率は欧米に比べ低く, 米国のパラメディックに習って1991年から救命救急士(救命士)制度が発足した. CPAに対し救命士は, 食道内挿管による気道確保・半自動式除細動器を用いた除細動・静脈路...
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| Published in | THE SHINSHU MEDICAL JOURNAL Vol. 58; no. 6; pp. 341 - 343 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
信州医学会
2010
The Shinshu Medical Society |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0037-3826 1884-6580 |
| DOI | 10.11441/shinshumedj.58.341 |
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| Summary: | 「I はじめに」わが国の救急医療は1931年日本赤十字社大阪支部で開始され, 1933年から大都市圏の警察組織のなかで救急自動車運用が見られるようになり, 1948年以降は自治省(現: 総務省)消防庁の指揮下で救急業務が行われている. 厚生省は1964年の救急医療機関告示制度を発足させ, 1977年には機能別に初期・二次・三次救急医療機関に分類し, 医療体制を整備した. しかし, 心肺停止者(CPA)の救命率は欧米に比べ低く, 米国のパラメディックに習って1991年から救命救急士(救命士)制度が発足した. CPAに対し救命士は, 食道内挿管による気道確保・半自動式除細動器を用いた除細動・静脈路確保(輸液)の実施が可能となった. だが救命率は著変なく, 病院搬入前における救護の見直しと診療が検討され, 「一般市民による応急処置実施率向上」「救命士の処置拡大」「病院搬入前医療」が課題に挙がった(表1). |
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| ISSN: | 0037-3826 1884-6580 |
| DOI: | 10.11441/shinshumedj.58.341 |