サッカー選手における意思決定能力と潜在的パターン知覚の関係

「I 緒言」サッカーは, 味方・相手・ボールや自己が移動することで, 常に状況が変化するスポーツである. そのため, ボール扱いに優れるだけではなく, 状況に応じて瞬時かつ適切にドリブルやパスなどを選択する意思決定にも優れる必要がある (Hughes, 1980) . スポーツにおける意思決定の優劣はその速さと適切さの関係によって評価されるが (木島, 2006) , 先行研究では, 概して熟練選手は優れた意思決定能力を有していることが報告されている (e.g., Helsen and Pauwels, 1988, 1992 ; McMorris and Beazeley, 1997 ; 夏原...

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Published inスポーツ心理学研究 Vol. 47; no. 2; pp. 57 - 74
Main Authors 幾留, 沙智, 高井, 洋平, 中本, 浩揮, 森, 司朗, 村川, 大輔, 小笠, 希将
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本スポーツ心理学会 30.09.2020
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ISSN0388-7014
1883-6410
DOI10.4146/jjspopsy.2020-1908

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Summary:「I 緒言」サッカーは, 味方・相手・ボールや自己が移動することで, 常に状況が変化するスポーツである. そのため, ボール扱いに優れるだけではなく, 状況に応じて瞬時かつ適切にドリブルやパスなどを選択する意思決定にも優れる必要がある (Hughes, 1980) . スポーツにおける意思決定の優劣はその速さと適切さの関係によって評価されるが (木島, 2006) , 先行研究では, 概して熟練選手は優れた意思決定能力を有していることが報告されている (e.g., Helsen and Pauwels, 1988, 1992 ; McMorris and Beazeley, 1997 ; 夏原ほか, 2015 ; Vaeyens et al., 2007a) . 例えば, Helsen and Pauwels (1993) は, スクリーンに映し出される様々なサッカーの意思決定場面を選手に観察させ, シュートやパスなどの身体反応を求めたところ, 熟練選手は未熟練選手と比較して素早く適切な意思決定が可能であったと報告している.
ISSN:0388-7014
1883-6410
DOI:10.4146/jjspopsy.2020-1908