小学生の調理に対する自信とセルフエスティームを高めるプログラムの評価
目的:調理に対する自信とセルフエスティーム(以下,SEとする)を高めることをねらいとしたプログラムを実施し,その効果を検討した.方法:準実験デザインにより,小学4~6年生を対象にプログラム(全4回)を隔週で実施した.介入群(20名)は,参加者がスタッフと食事作りを行った後,一同で会食をした.対照群(17名)は,参加者に食事提供のみを行った.介入群に対するプロセス評価は,各回終了時にプログラムの難易度,次回の参加意欲等をたずねた.プログラムの効果は,プログラム前後の調理操作(野菜を切る,肉を焼く,みそ汁を作る,味を調える,コンロを安全に使う)に対する自信度とSEの変化から評価した.出席回数が半数...
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| Published in | 日本健康教育学会誌 Vol. 29; no. 1; pp. 70 - 76 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本健康教育学会
28.02.2021
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1340-2560 1884-5053 |
| DOI | 10.11260/kenkokyoiku.29.70 |
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| Summary: | 目的:調理に対する自信とセルフエスティーム(以下,SEとする)を高めることをねらいとしたプログラムを実施し,その効果を検討した.方法:準実験デザインにより,小学4~6年生を対象にプログラム(全4回)を隔週で実施した.介入群(20名)は,参加者がスタッフと食事作りを行った後,一同で会食をした.対照群(17名)は,参加者に食事提供のみを行った.介入群に対するプロセス評価は,各回終了時にプログラムの難易度,次回の参加意欲等をたずねた.プログラムの効果は,プログラム前後の調理操作(野菜を切る,肉を焼く,みそ汁を作る,味を調える,コンロを安全に使う)に対する自信度とSEの変化から評価した.出席回数が半数未満だった対照群の2名は,解析から除外した.結果:プロセス評価の結果は,概ね良好であった.介入群は対照群と比較して,プログラム前後の5つの調理操作の自信度の合計値の変化量が大きく,群間の差は有意だった(P=0.009).SEの平均値(標準偏差)は,介入群ではプログラム前22.4(4.5)からプログラム後23.5(3.8)にかけて上昇した(P=0.043)が,SEの変化量に群間差は認められなかった(P=0.753).結論:本プログラムは,SEを高める効果は認められなかったものの,調理に対する自信を高める効果が示唆された. |
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| ISSN: | 1340-2560 1884-5053 |
| DOI: | 10.11260/kenkokyoiku.29.70 |