スギコンテナ苗の成長に対する元肥の溶出タイプと濃度の影響
コンテナ移植後のスギ毛苗の成長に与える元肥の影響を明らかにするため,元肥の溶出タイプ(100,180,360日タイプ)とそれらの濃度(3,6,12 g/L)を変えた培地(計3×3処理区)で育苗し,1成長期における培地の電気伝導度(EC),苗長,地上部/地下部(T/R)比,および葉の窒素濃度を調査した。100日タイプ区に比べ,360日タイプ区では5,6月の伸長成長量が小さく,9月以降に成長量が増加した。180日タイプ区では7月までは100日タイプ区と成長量が変わらず,8月以降に成長量が増加した。成長量と葉の窒素濃度は元肥の濃度が高い処理区で大きかった。成長期末の個体サイズは180日タイプ-12...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 日本森林学会誌 Vol. 107; no. 3; pp. 43 - 52 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本森林学会
    
        23.05.2025
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1349-8509 1882-398X  | 
| DOI | 10.4005/jjfs.107.43 | 
Cover
| Summary: | コンテナ移植後のスギ毛苗の成長に与える元肥の影響を明らかにするため,元肥の溶出タイプ(100,180,360日タイプ)とそれらの濃度(3,6,12 g/L)を変えた培地(計3×3処理区)で育苗し,1成長期における培地の電気伝導度(EC),苗長,地上部/地下部(T/R)比,および葉の窒素濃度を調査した。100日タイプ区に比べ,360日タイプ区では5,6月の伸長成長量が小さく,9月以降に成長量が増加した。180日タイプ区では7月までは100日タイプ区と成長量が変わらず,8月以降に成長量が増加した。成長量と葉の窒素濃度は元肥の濃度が高い処理区で大きかった。成長期末の個体サイズは180日タイプ-12 g/L区の苗で最大であったが,林野庁が定める標準規格5号を満たす苗は20%に留まった。成長期前半のスギ毛苗には100~180日タイプの肥料が,後半には180~360日タイプの肥料が成長を促進し,その効果は元肥の濃度に応じて高まった。このことから,180日タイプの肥料を用いるほか,異なる溶出タイプの緩効性肥料を組み合わせて用いることで,成長期全般を通して成長が促進される可能性が示唆された。 | 
|---|---|
| ISSN: | 1349-8509 1882-398X  | 
| DOI: | 10.4005/jjfs.107.43 |