岩手県雫石町における自動撮影カメラを用いたイノシシの日周活動性の推定

イノシシ(Sus scrofa)の日周活動性には人間活動のほか,気温が影響することが報告されている.イノシシの分布拡大地域である東北地方北部で日周活動性を検討した事例はないため,岩手県雫石町において自動撮影カメラを用いた推定を行った.春季から秋季にかけては日没前後に撮影回数のピークがあったが,冬季では日中に撮影回数のピークがあり,昼行型に変化した可能性が示唆された.イノシシは東北地方北部の冬季の特徴である低温や積雪に対し,日周活動性を変化させることで適応している可能性が考えられた....

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Published in哺乳類科学 Vol. 63; no. 1; pp. 87 - 94
Main Authors 千代島, 蒔人, 大竹, 崇寛, 出口, 善隆, 渡邊, 篤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本哺乳類学会 01.01.2023
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ISSN0385-437X
1881-526X
DOI10.11238/mammalianscience.63.87

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Summary:イノシシ(Sus scrofa)の日周活動性には人間活動のほか,気温が影響することが報告されている.イノシシの分布拡大地域である東北地方北部で日周活動性を検討した事例はないため,岩手県雫石町において自動撮影カメラを用いた推定を行った.春季から秋季にかけては日没前後に撮影回数のピークがあったが,冬季では日中に撮影回数のピークがあり,昼行型に変化した可能性が示唆された.イノシシは東北地方北部の冬季の特徴である低温や積雪に対し,日周活動性を変化させることで適応している可能性が考えられた.
ISSN:0385-437X
1881-526X
DOI:10.11238/mammalianscience.63.87