人工胸腹水法を用いたラジオ波焼灼療法—適応と成績

「諸言」ラジオ波焼灼療法(RFA)の登場により, 肝細胞癌(HCC)の治療成績は大きく向上している1)2). しかしながら肝辺縁に位置するHCCへの局所治療は困難である. このような症例に対し, 我々は積極的に人工胸水あるいは人工腹水を作製してRFAを行っている. 近年では全RFAの約3割の症例に人工胸腹水を作製している. 今回これら人工胸腹水下併用経皮的RFA(PRFA)を施行したHCCについて, その適応と治療効果を報告する. 「I. 対象と方法」2009年8月までにRFAを施行した全437例の中で, i)肝表面から5mm以内にHCCが存在するもの, ii)横隔膜直下に位置し, 完全に腫瘍...

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Published inJournal of Microwave Surgery Vol. 29; pp. 105 - 107
Main Authors 松田, 香奈子, 藤井, 英樹, 坂口, 浩樹, 河田, 則文, 遠山, まどか, 荻原, 淳司, 岩井, 秀司, 寺西, 優雅, 森川, 浩安, 榎本, 大, 田森, 昭博, 小林, 佐和子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会 2011
メディカルレビュー社
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ISSN0917-7728
1882-210X
DOI10.3380/jmicrowavesurg.29.105

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Summary:「諸言」ラジオ波焼灼療法(RFA)の登場により, 肝細胞癌(HCC)の治療成績は大きく向上している1)2). しかしながら肝辺縁に位置するHCCへの局所治療は困難である. このような症例に対し, 我々は積極的に人工胸水あるいは人工腹水を作製してRFAを行っている. 近年では全RFAの約3割の症例に人工胸腹水を作製している. 今回これら人工胸腹水下併用経皮的RFA(PRFA)を施行したHCCについて, その適応と治療効果を報告する. 「I. 対象と方法」2009年8月までにRFAを施行した全437例の中で, i)肝表面から5mm以内にHCCが存在するもの, ii)横隔膜直下に位置し, 完全に腫瘍の描出ができないものを対象にした. この基準を満たし人工胸腹水下PRFAを選択した症例が92症例あった. 原則としてHCCが肝腹側にあるものは人工腹水下PRFAを施行し, 肝背側にあるものは人工胸水下PRFAを施行した.
ISSN:0917-7728
1882-210X
DOI:10.3380/jmicrowavesurg.29.105