側方リーチテストの再現性と動的バランス評価の適応
〔目的〕側方リーチテスト(以下,LRT)の再現性と,LRTとFunctional reach test(以下,FRT)および両上肢で行うFRT(以下,両FRT)との関連性について検証し,動的バランス評価の適応について検討することである.〔対象と方法〕健常成人男女21名とした.ファンクショナルリーチ測定器を用い,左右LRTと左右FRT,両FRTをそれぞれ測定し,LRTと両FRTの級内相関係数(ICC)を求めた.また,それぞれの関係について検証し,各リーチ距離の差を比較した.〔結果〕LRTのICC(1.3)は0.907,両FRTが0.977と高い再現性を認めた.LRT,FRT,両FRTはそれぞれ有...
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Published in | Rigaku ryoho kagaku Vol. 32; no. 4; pp. 543 - 547 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
Tokyo
理学療法科学学会
01.01.2017
Japan Science and Technology Agency |
Subjects | |
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ISSN | 1341-1667 2434-2807 |
DOI | 10.1589/rika.32.543 |
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Summary: | 〔目的〕側方リーチテスト(以下,LRT)の再現性と,LRTとFunctional reach test(以下,FRT)および両上肢で行うFRT(以下,両FRT)との関連性について検証し,動的バランス評価の適応について検討することである.〔対象と方法〕健常成人男女21名とした.ファンクショナルリーチ測定器を用い,左右LRTと左右FRT,両FRTをそれぞれ測定し,LRTと両FRTの級内相関係数(ICC)を求めた.また,それぞれの関係について検証し,各リーチ距離の差を比較した.〔結果〕LRTのICC(1.3)は0.907,両FRTが0.977と高い再現性を認めた.LRT,FRT,両FRTはそれぞれ有意な相関があり,同時に身長との相関も認めた.身長を正規化した値では,LRTとFRTは各々左右間で高い相関を示したが,LRTとFRTおよび両FRTの間に相関は認めなかった.LRTとFRTの機能的特性として,LRTの左右対称性とFRTの左右非対称性を認めた.また,利き手の影響についてLRTにはなく,FRTでは有意な関連を認めた.〔結語〕LRTは高い再現性と左右対称性であることが示された.LRTとFRTは運動機能が異なった評価であり,側方への動的バランス評価を目的とする場合はFRTよりもLRTを使用した方が適切である可能性が示された.また動的バランス評価においては,LRTとFRTまたは両FRTのどちらも測定し,前方と左右側方の評価を行う必要があると思われた. |
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Bibliography: | ObjectType-Article-1 SourceType-Scholarly Journals-1 ObjectType-Feature-2 content type line 14 |
ISSN: | 1341-1667 2434-2807 |
DOI: | 10.1589/rika.32.543 |