当院における青少年腰椎分離症患者の予後調査~アンケートによる腰痛再発率調査を中心に

はじめに:青少年の腰椎分離症はスポーツを行う者に多く発症する疲労骨折である.早期発見・治療を行えば多くは癒合するが,治癒後に腰痛を再発しさらには腰椎分離症を再発する例も存在する.しかし,その再発に関する調査・報告例は少ない.そこで今回我々は腰椎分離症の治癒後の予後調査を行うことを目的とした.対象と方法:腰椎分離症と診断された18歳以下の患者で骨癒合が得られた108名を対象とし,電話及び紙面にて治療後のアンケート調査を行った.結果:回答は108名中64名(回答率59%).腰痛再発者は64名中28名(44%)であった.男女別では女性,腰椎分離症の高位別ではL3,罹患タイプ別では『新鮮/陳旧』,CT...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJournal of Spine Research Vol. 12; no. 6; pp. 887 - 893
Main Authors 久保田, 祐司, 大鳥, 精司, 岡地, 光士郎, 三橋, 彩乃, 中村, 俊文, 折田, 純久, 塚本, 友里子, 寺門, 淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.06.2021
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2021-0616

Cover

More Information
Summary:はじめに:青少年の腰椎分離症はスポーツを行う者に多く発症する疲労骨折である.早期発見・治療を行えば多くは癒合するが,治癒後に腰痛を再発しさらには腰椎分離症を再発する例も存在する.しかし,その再発に関する調査・報告例は少ない.そこで今回我々は腰椎分離症の治癒後の予後調査を行うことを目的とした.対象と方法:腰椎分離症と診断された18歳以下の患者で骨癒合が得られた108名を対象とし,電話及び紙面にて治療後のアンケート調査を行った.結果:回答は108名中64名(回答率59%).腰痛再発者は64名中28名(44%)であった.男女別では女性,腰椎分離症の高位別ではL3,罹患タイプ別では『新鮮/陳旧』,CT分類別では病期が進行していた者に腰痛再発が多い傾向にあったが有意差はなかった.腰痛再発者のうち当院を受診した11名に対してMRI・CTを施行した結果,腰椎分離症の再発を3名(27%)に認めた.結語:腰椎分離症が骨癒合した患者に対してアンケートによる予後調査を行ったところ,44%に腰痛再発を認めた.そのうち当院を受診した患者の27%に腰椎分離症の再発を認めた.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2021-0616