多変量解析による腰椎分離症が保存療法後に偽関節となる危険因子
はじめに:多変量ロジスティック回帰分析を用いて腰椎分離症の保存療法後に偽関節化する危険因子を検討したので報告する.対象と方法:2014年4月から5年間,腰椎分離症と診断し保存療法を行った高校生以下の連続した患者145例における196分離を対象とした.性別,年齢,罹患高位,CT水平断による病期,対側椎弓の病変の有無および病期,腰仙椎におけるSBOの有無を調査し,保存療法後に各要素と骨癒合の関連を検討した.結果:単変量解析で有意だった高位,病期,対側病期,SBOを説明変数とした多変量解析では,進行期,対側病変の進行が独立した危険因子であった.多変量解析より,進行期,対側超初期+対側初期+対側進行期...
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Published in | Journal of Spine Research Vol. 12; no. 5; pp. 766 - 772 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
20.05.2021
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Subjects | |
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ISSN | 1884-7137 2435-1563 |
DOI | 10.34371/jspineres.2020-0027 |
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Summary: | はじめに:多変量ロジスティック回帰分析を用いて腰椎分離症の保存療法後に偽関節化する危険因子を検討したので報告する.対象と方法:2014年4月から5年間,腰椎分離症と診断し保存療法を行った高校生以下の連続した患者145例における196分離を対象とした.性別,年齢,罹患高位,CT水平断による病期,対側椎弓の病変の有無および病期,腰仙椎におけるSBOの有無を調査し,保存療法後に各要素と骨癒合の関連を検討した.結果:単変量解析で有意だった高位,病期,対側病期,SBOを説明変数とした多変量解析では,進行期,対側病変の進行が独立した危険因子であった.多変量解析より,進行期,対側超初期+対側初期+対側進行期を小危険因子,対側終末期を大危険因子とすると,危険因子の個数による骨癒合率は危険因子99%,小危険因子1個86%,小危険因子2個66%,大危険因子1個50%,大危険因子1個小危険因子1個11%であった.結語:腰椎分離症の保存療法後に偽関節化する危険因子は,進行期,対側病変の進行であった. |
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ISSN: | 1884-7137 2435-1563 |
DOI: | 10.34371/jspineres.2020-0027 |