レザフィリンPDTの光線過敏症モニタリング法の開発

レザフィリンによる光線力学的療法(Photodynamic Therapy: PDT)は2015年に局所遺残再発食道癌における新たな選択として,早期肺がん,悪性脳腫瘍に続き保険収載となった.PDTにおいては,皮膚に残留した光感受性薬剤によって生じる光線過敏症とその対策が今もって課題である.光線過敏症リスクを回避するためにレザフィリンの場合2週間の遮光期間が規定されているが薬剤の代謝には個人差があり,この期間は代謝の遅い患者に安全である様に定められたものである.この遮光期間は入院を意味するものではないが,実際には入院観察が行われることが多い.このため代謝の速い患者においては,冗長な入院を強いてい...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 40; no. 1; pp. 67 - 71
Main Authors 荒井, 恒憲, 臼田, 実男, 小川, 恵美悠, 前原, 幸夫, 大谷, 圭志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会 15.04.2019
日本レーザー医学会
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ISSN0288-6200
1881-1639
DOI10.2530/jslsm.jslsm-40_0010

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Summary:レザフィリンによる光線力学的療法(Photodynamic Therapy: PDT)は2015年に局所遺残再発食道癌における新たな選択として,早期肺がん,悪性脳腫瘍に続き保険収載となった.PDTにおいては,皮膚に残留した光感受性薬剤によって生じる光線過敏症とその対策が今もって課題である.光線過敏症リスクを回避するためにレザフィリンの場合2週間の遮光期間が規定されているが薬剤の代謝には個人差があり,この期間は代謝の遅い患者に安全である様に定められたものである.この遮光期間は入院を意味するものではないが,実際には入院観察が行われることが多い.このため代謝の速い患者においては,冗長な入院を強いている可能性がある.そこで我々は皮膚に残留したレザフィリン量を蛍光計測により定量的かつ経時的に計測可能なモニタリングシステムを開発した.現状の定性的な日焼け症の判定方法は薬剤の添付文書に定められたものでありその改定はハードルが高いが,定量的な評価の実現は,患者のQOL改善および医療コスト削減の両方のメリットを生むものであるから,推し進めて行くべきであると考えている.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm.jslsm-40_0010