腰椎除圧術後の再手術方法としてのOLIFの有用性について
はじめに:腰部脊柱管狭窄症や変性辷り症に対して除圧術施行後,再狭窄や辷りの増大などで再手術が必要な症例に対してoblique lateral interbody fusion(OLIF;側方進入椎体間固定術)を行った.OLIFの利点は,癒着瘢痕化した術野を触ることなく,間接的除圧が期待されることである.しかしmulti operated back(MOB;腰椎多数回手術)症例では著しい瘢痕性癒着が想像される.MOB症例に対して,OLIFで間接除圧は果たされているのか,否か,再手術としてのOLIFの術後成績を調査したので報告する.対象と方法:16例.再手術時平均年齢は71歳,前回までの手術回数は...
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Published in | Journal of Spine Research Vol. 14; no. 12; pp. 1423 - 1432 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
20.12.2023
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Subjects | |
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ISSN | 1884-7137 2435-1563 |
DOI | 10.34371/jspineres.2023-1204 |
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Summary: | はじめに:腰部脊柱管狭窄症や変性辷り症に対して除圧術施行後,再狭窄や辷りの増大などで再手術が必要な症例に対してoblique lateral interbody fusion(OLIF;側方進入椎体間固定術)を行った.OLIFの利点は,癒着瘢痕化した術野を触ることなく,間接的除圧が期待されることである.しかしmulti operated back(MOB;腰椎多数回手術)症例では著しい瘢痕性癒着が想像される.MOB症例に対して,OLIFで間接除圧は果たされているのか,否か,再手術としてのOLIFの術後成績を調査したので報告する.対象と方法:16例.再手術時平均年齢は71歳,前回までの手術回数は平均1.5回(1~7回).結果:OLIFの椎間数は1椎間3例,2椎間8例,3椎間5例.術直後より腰下肢痛は消失していた.手術前後の硬膜管面積は,術前平均101 mm2,術後平均155 mm2.術前後でのJOA(15点法)は術前平均5.5点,術後平均10.3点と有意に改善していた(t検定;<0.05).結語:腰椎除圧術後MOBに対するOLIFの術後成績は良好で,OLIF手術による間接的除圧の有用性が示された. |
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ISSN: | 1884-7137 2435-1563 |
DOI: | 10.34371/jspineres.2023-1204 |