臨地実習におけるGoldmann視野計実技指導の課題
【目的】Goldmann視野計の視野実技指導法の標準化をめざし、臨地実習における指導の課題を検討した。 【対象および方法】実習指導予定の視能訓練士70名を対象とした。方法は、Goldmann視野計記録用紙に正常視野と基本操作および緑内障性視野異常を描き、その結果と測定の経過について分析した。自由形式のアンケートからは指導上の問題点を抽出した。 【結果】1)正常視野と基本操作:正常視野と比較したイソプタの広さは、耳側と下方が鼻側や上方と比較して正常より狭くなる傾向がみられた(Wilcoxon-test with Bonferroni correction、p<0.01)。視標の軌跡は、「水...
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Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 39; pp. 197 - 206 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2010
日本視能訓練士協会 |
Subjects | |
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ISSN | 0387-5172 1883-9215 |
DOI | 10.4263/jorthoptic.039F120 |
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Summary: | 【目的】Goldmann視野計の視野実技指導法の標準化をめざし、臨地実習における指導の課題を検討した。 【対象および方法】実習指導予定の視能訓練士70名を対象とした。方法は、Goldmann視野計記録用紙に正常視野と基本操作および緑内障性視野異常を描き、その結果と測定の経過について分析した。自由形式のアンケートからは指導上の問題点を抽出した。 【結果】1)正常視野と基本操作:正常視野と比較したイソプタの広さは、耳側と下方が鼻側や上方と比較して正常より狭くなる傾向がみられた(Wilcoxon-test with Bonferroni correction、p<0.01)。視標の軌跡は、「水平垂直経線を挟んで測定」が64名(91%)、「違う経線を選択」34名(49%)、「前のイソプタより外側から呈示」13名(19%)、「正確にプロットをつないで描写」9名(13%)であった。2)緑内障性視野異常:鼻側の精査不足は54名(77%)、その内37名(53%)は視野異常がないことを確認する測定点が少なかった。ビエルム領域の精査は「中間イソプタを使用」37名(53%)、「スポットチェックを使用」10名(14%)だった。3)実習指導での問題点:46名(66%)が指導方法や内容を指摘し、36名(51%)が実習生の力量を問題とした。 【結論】実習指導での課題は、正常視野の範囲と基本技術の要点を再確認する必要性、緑内障の測定に対して鼻側異常がないことを確認するプロットやスポットチェックの活用、および実習について養成施設と実習施設の指導者間での確認の必要性が結論として得られた。 |
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ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
DOI: | 10.4263/jorthoptic.039F120 |