小児重症筋無力症における眼科所見の特徴
【目的】小児重症筋無力症(以下 小児MG)における眼科所見の特徴について報告する。【対象及び方法】対象は2010~2014年に埼玉県立小児医療センター眼科、神経科を受診し、小児MGと診断され治療を受けた15例(男児6例、女児9例)である。発症年齢は11か月~13歳11か月(平均年齢5歳7か月)であった。方法は、診療録より発症年齢、病型分類、初回受診医療機関、初発症状、主訴、眼科受診時所見(眼瞼下垂、眼位、眼球運動)、弱視発症例について検討した。【結果】15例中10例の発症年齢は5歳未満であった。病型は眼筋型11例、全身型4例であった。10例は初発時に眼科を受診していた。主訴、初発症状ともに眼瞼...
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Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 45; pp. 167 - 172 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2016
日本視能訓練士協会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0387-5172 1883-9215 |
DOI | 10.4263/jorthoptic.045F120 |
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Summary: | 【目的】小児重症筋無力症(以下 小児MG)における眼科所見の特徴について報告する。【対象及び方法】対象は2010~2014年に埼玉県立小児医療センター眼科、神経科を受診し、小児MGと診断され治療を受けた15例(男児6例、女児9例)である。発症年齢は11か月~13歳11か月(平均年齢5歳7か月)であった。方法は、診療録より発症年齢、病型分類、初回受診医療機関、初発症状、主訴、眼科受診時所見(眼瞼下垂、眼位、眼球運動)、弱視発症例について検討した。【結果】15例中10例の発症年齢は5歳未満であった。病型は眼筋型11例、全身型4例であった。10例は初発時に眼科を受診していた。主訴、初発症状ともに眼瞼下垂が最多であった。初診時、眼瞼下垂は全症例、斜視は9例に認め、うち6例が外斜視であった。眼球運動障害は12例に認めた。弱視は3例に認め、小児MGが原因の弱視2例、屈折異常弱視1例であった。弱視治療は健眼遮蔽と眼鏡装用を行った。【結論】小児MGにおける機能弱視は、早期発見により治療可能であった。初発症状には多様な眼症状が複数重複することがあり、眼科受診時の問診と保護者の観察が重要と考えられた。 |
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ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
DOI: | 10.4263/jorthoptic.045F120 |