視能訓練士における熟達像について

【目的】視能訓練士の熟達化は患者の見え方の質、生活の質の向上につながると考えられるが、視能訓練士の熟達の定義は未だ為されていない。本研究では視能訓練士の熟達像を構成する要素について調査した。 【対象及び方法】東京都、静岡県および栃木県の大学病院勤務の視能訓練士19名(平均職歴6.1年)、眼科医5名(平均職歴22.2年)を対象に、電子メールやインタビューで「どのような視能訓練士が熟達者だと思いますか」と質問した。得られた回答はKJ法を援用し、記述内容の類似性に基づいて整理しカテゴリに分類した。 【結果】視能訓練士の熟達像として、全部で90項目の素データが得られ、最終的に18カテゴリに分類された。...

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Bibliographic Details
Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 43; pp. 65 - 71
Main Authors 原, 涼子, 安藤, 智子, 新井田, 孝裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2014
日本視能訓練士協会
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.043F101

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Summary:【目的】視能訓練士の熟達化は患者の見え方の質、生活の質の向上につながると考えられるが、視能訓練士の熟達の定義は未だ為されていない。本研究では視能訓練士の熟達像を構成する要素について調査した。 【対象及び方法】東京都、静岡県および栃木県の大学病院勤務の視能訓練士19名(平均職歴6.1年)、眼科医5名(平均職歴22.2年)を対象に、電子メールやインタビューで「どのような視能訓練士が熟達者だと思いますか」と質問した。得られた回答はKJ法を援用し、記述内容の類似性に基づいて整理しカテゴリに分類した。 【結果】視能訓練士の熟達像として、全部で90項目の素データが得られ、最終的に18カテゴリに分類された。素データの出現率が高かったカテゴリは「自分にとって得意分野がある」、「患者さんに合わせた対応ができる」、「速くて正確な検査ができる」、「オールマイティーに検査ができる」、「周囲に対して目が向いている」、「仕事の環境全体が見えている」であった。 【結論】視能訓練士においては、自身の検査技法、知識に関して精通しているだけでなく、自分の考えをしっかり持ち、それに基づき検査を行う事が必要である。また、正確な検査結果を引き出すために、患者に合わせた対応ができるコミュニケーション能力も必要とされる。仕事全体を円滑に運ぶために、仕事の環境全体が見えているというアセスメント能力も必要とされることが示された。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.043F101