睡眠専門外来から見た 「睡眠呼吸障害」
「I 睡眠不足の影響」 この半世紀で, 我が国は高度に産業化され, 24時間型社会に変貌してきた. 夜型社会化に伴う睡眠時間の短縮化は顕著で, 10歳以上の国民を対象に5年ごとに実施しているNHKの国民生活時間調査1)によると, 1960年には約70%の人は夜10時に眠っていたのが2005年には24%に激減, 睡眠時間も50分以上少なくなっている. 国民の5人に1人は快適な眠りが得られていないのが実態である2)3). 成人のみならず, 小学生から高校生の7割近くが睡眠時間が少なく, 睡眠不足を自覚している4). 睡眠不足および生活リズムの乱れは, 高血圧・糖尿病・心臓病・脳卒中等の生活習慣病の...
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          | Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 110; no. 3; pp. 117 - 121 | 
|---|---|
| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
    
        2007
     日本耳鼻咽喉科学会  | 
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0030-6622 1883-0854  | 
| DOI | 10.3950/jibiinkoka.110.117 | 
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| Summary: | 「I 睡眠不足の影響」 この半世紀で, 我が国は高度に産業化され, 24時間型社会に変貌してきた. 夜型社会化に伴う睡眠時間の短縮化は顕著で, 10歳以上の国民を対象に5年ごとに実施しているNHKの国民生活時間調査1)によると, 1960年には約70%の人は夜10時に眠っていたのが2005年には24%に激減, 睡眠時間も50分以上少なくなっている. 国民の5人に1人は快適な眠りが得られていないのが実態である2)3). 成人のみならず, 小学生から高校生の7割近くが睡眠時間が少なく, 睡眠不足を自覚している4). 睡眠不足および生活リズムの乱れは, 高血圧・糖尿病・心臓病・脳卒中等の生活習慣病の発症要因5)~9)となるほか, 集中力・記憶力・学習能力や感情のコントロール機能, 作業能率などに障害10)交通事故等の原因ともなる11). 若年者ボランティアを対象として睡眠を6日間, 4時間に制限した実験8)では, 交感神経は緊張し, 図1に示すように耐糖能低下(インシュリン分泌低下, 血糖値上昇), コルチゾールの増加を認め, 睡眠不足が, 高血圧, 糖尿病発症に関与することが示唆された. | 
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| ISSN: | 0030-6622 1883-0854  | 
| DOI: | 10.3950/jibiinkoka.110.117 |