4機器のOCTで評価した網膜厚の比較検討

【目的】4機器のOCTを用いて中心網膜厚の評価を行い、測定誤差および誤差に影響を及ぼす因子について検討した。【方法】対象は屈折異常以外に眼疾患の既往がない31名31眼とした。OCTはSpectralis OCT Compact、RS-3000 Advance、Cirrus HD-OCT、DRI OCT-1 Atlantisの4機器を用いた。測定は同日に中心網膜厚を自動評価するプロトコルを連続3回行い、各機器で得られた中心網膜厚及び変動係数(CV)を比較した。【結果】平均年齢は27.3±6.9歳、平均屈折度数-3.5±3.2 D、平均眼軸長24.7±1.3 mmであった。平均中心網膜厚は、Spe...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 46; pp. 201 - 207
Main Authors 坂手, 澪, 後藤, 保人, 金永, 圭祐, 藤原, 篤之, 白神, 史雄, 稲垣, 明日香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2017
日本視能訓練士協会
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.046F122

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Summary:【目的】4機器のOCTを用いて中心網膜厚の評価を行い、測定誤差および誤差に影響を及ぼす因子について検討した。【方法】対象は屈折異常以外に眼疾患の既往がない31名31眼とした。OCTはSpectralis OCT Compact、RS-3000 Advance、Cirrus HD-OCT、DRI OCT-1 Atlantisの4機器を用いた。測定は同日に中心網膜厚を自動評価するプロトコルを連続3回行い、各機器で得られた中心網膜厚及び変動係数(CV)を比較した。【結果】平均年齢は27.3±6.9歳、平均屈折度数-3.5±3.2 D、平均眼軸長24.7±1.3 mmであった。平均中心網膜厚は、Spectralis OCT Compact: 265.1±21.6μm、RS-3000 Advance: 261.8±20.0 μm、Cirrus HD-OCT: 250.7±20.6 μm、DRI OCT-1 Atlantis: 234.0±20.4 μmで、DRI OCT-1 Atlantisは他の機器と比較をして有意に低い値を示した(P < 0.01、ANOVA)。各機器でのCVは、Spectralis OCT Compact: 0.005±0.003、RS-3000 Advance: 0.006±0.005、Cirrus HD-OCT: 0.005±0.003、DRI OCT-1 Atlantis: 0.004±0.003で、低値を示し有意差はなかった(P = 0.40、ANOVA)。従属変数を各機器のCV、独立変数を年齢、屈折度数、眼軸長として重回帰分析を行った結果、Cirrus HD-OCTで屈折度数と有意の関連があった(P < 0.01)。【結論】4機器で同一眼の中心網膜厚を評価した結果、DRI OCT-1 Atlantisで有意に低い値を示した。また、Cirrus HD-OCTのCVに影響を与える因子は屈折度数であった。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.046F122