デノスマブ投与にて術後コントロールが良好であった蝶形骨洞骨巨細胞腫

骨巨細胞腫は, 整形外科領域に多い良性腫瘍であるが, 周囲組織を破壊する急激な増殖や, 肺転移を起こすなど悪性腫瘍に類した臨床所見を呈する治療の困難な疾患である. 今回われわれは, 頭部外傷にて撮影したCTにて偶発的に発見された蝶形骨洞骨巨細胞腫を経験した. 診断を目的に当科で生検を行い, 診断確定後に脳神経外科と合同で第 1 回目の内視鏡下経鼻蝶形骨洞到達法腫瘍摘出手術を行った. 術後経過観察中に腫瘍の急速増大傾向を認めたため, 再手術にて腫瘍を減量し, 分子標的薬であるデノスマブを投与し, その後良好なコントロールを得た. 近年開発や使用報告が増加している分子標的薬について若干の文献的検索...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 120; no. 10; pp. 1246 - 1250
Main Authors 村上, 信五, 間瀬, 光人, 鈴木, 元彦, 中村, 善久, 松本, 珠美, 谷川, 元紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.10.2017
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.120.1246

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Summary:骨巨細胞腫は, 整形外科領域に多い良性腫瘍であるが, 周囲組織を破壊する急激な増殖や, 肺転移を起こすなど悪性腫瘍に類した臨床所見を呈する治療の困難な疾患である. 今回われわれは, 頭部外傷にて撮影したCTにて偶発的に発見された蝶形骨洞骨巨細胞腫を経験した. 診断を目的に当科で生検を行い, 診断確定後に脳神経外科と合同で第 1 回目の内視鏡下経鼻蝶形骨洞到達法腫瘍摘出手術を行った. 術後経過観察中に腫瘍の急速増大傾向を認めたため, 再手術にて腫瘍を減量し, 分子標的薬であるデノスマブを投与し, その後良好なコントロールを得た. 近年開発や使用報告が増加している分子標的薬について若干の文献的検索を加え報告する.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.120.1246