難治性口腔・咽頭潰瘍の診断と治療
「1. はじめに」難治性口腔・咽頭潰瘍は, 治療に抵抗性を示す口腔および咽頭領域の潰瘍性病変の総称である. その中には, さまざまな精査の結果, 最終的に診断に至るもの(広義の難治性口腔・咽頭潰瘍)と, 原因を確定できないもの(狭義の難治性口腔・咽頭潰瘍)を含む. 一般的に急性期, すなわち1カ月をすぎてもなお治癒しがたい時, 難治性と呼ぶ. 治療は疾患によって大きく異なり, 正しい診断に基づく適切な治療を目指すべきである. 「2. 代表的な疾患」診断を進めるには, 鑑別すべき疾患候補を知らなければならない. 通常, 問診により経過を把握し, 視診, 触診で診断の候補を絞る. それぞれの疾患の...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 123; no. 12; pp. 1414 - 1416 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.12.2020
日本耳鼻咽喉科学会 |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.123.1414 |
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Summary: | 「1. はじめに」難治性口腔・咽頭潰瘍は, 治療に抵抗性を示す口腔および咽頭領域の潰瘍性病変の総称である. その中には, さまざまな精査の結果, 最終的に診断に至るもの(広義の難治性口腔・咽頭潰瘍)と, 原因を確定できないもの(狭義の難治性口腔・咽頭潰瘍)を含む. 一般的に急性期, すなわち1カ月をすぎてもなお治癒しがたい時, 難治性と呼ぶ. 治療は疾患によって大きく異なり, 正しい診断に基づく適切な治療を目指すべきである. 「2. 代表的な疾患」診断を進めるには, 鑑別すべき疾患候補を知らなければならない. 通常, 問診により経過を把握し, 視診, 触診で診断の候補を絞る. それぞれの疾患の特徴を, 頭の中で整理しておくことが診断に至る第一歩である. 1. 感染症 1) ウイルス a. 単純疱疹 b. 水痘・帯状疱疹 c. ヘルパンギーナ d. 手足口病 e. HIV 2) カンジダ症 |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.123.1414 |