術前 CT 読影による内視鏡下鼻内副鼻腔手術プランニング

「1. はじめに」 副鼻腔炎を中心とした鼻副鼻腔疾患の診断, 治療にCTが果たした役割は大きい. 一方で, CT情報はナビゲーションシステムにも用いられているが, CT情報をフルに鼻副鼻腔手術に活かすことができているのかといえば, 疑問が残る. ナビゲーションシステムは, 広く普及したが, 内視鏡下鼻内副鼻腔手術(ESS)に伴う副損傷は減少していないという報告がなされている. 術前CTの読影をよりESSの手術手技に対応したものにすることにより, 術前CTの情報を実際の手術に反映することができると同時に, ナビゲーションシステムを副損傷減少に貢献させることにもつながるのではないかと考えられる....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 117; no. 10; pp. 1294 - 1295
Main Author 中川, 隆之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.10.2014
日本耳鼻咽喉科学会
Online AccessGet full text
ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.117.1294

Cover

More Information
Summary:「1. はじめに」 副鼻腔炎を中心とした鼻副鼻腔疾患の診断, 治療にCTが果たした役割は大きい. 一方で, CT情報はナビゲーションシステムにも用いられているが, CT情報をフルに鼻副鼻腔手術に活かすことができているのかといえば, 疑問が残る. ナビゲーションシステムは, 広く普及したが, 内視鏡下鼻内副鼻腔手術(ESS)に伴う副損傷は減少していないという報告がなされている. 術前CTの読影をよりESSの手術手技に対応したものにすることにより, 術前CTの情報を実際の手術に反映することができると同時に, ナビゲーションシステムを副損傷減少に貢献させることにもつながるのではないかと考えられる. 本稿では, ESSの手術プロセスに対応した術前CTの読影とナビゲーションへの応用について基本的な事項に焦点を絞って論じたいと思う. 「2. 中鼻道に開放する副鼻腔」 中鼻道に自然口を持つ副鼻腔は, 鼻堤蜂巣, 篩骨胞とこれらの上部に存在するセルからなる前部篩骨蜂巣, 上顎洞, 前頭洞が存在する.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.117.1294