国際医療福祉大学病院における水平斜視手術の成績
【目的】水平斜視手術の効果を検討した。 【対象および方法】対象は国際医療福祉大学病院で平成17年3月~平成22年3月に水平斜視手術を行った27例(内斜視8例と外斜視19例)で、手術時年齢は4~18歳(8.0±3.4歳)であった。術前にPrism Adaptation Testを行い、外斜視ではさらにBasic Deviation(起床時から夕方までの一眼遮閉)で測定した斜視角を参考に手術量を決定した。内斜視の手術量はSPCTの値を用いた。術式は全例両眼等量後転術である。術後はSPCT、APCT、大型弱視鏡の他覚的斜視角測定を行い、遠見眼位の値を術前と比較した。最終受診時(術後29.9±16.8...
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| Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 40; pp. 53 - 60 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2011
日本視能訓練士協会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0387-5172 1883-9215 |
| DOI | 10.4263/jorthoptic.040F103 |
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| Summary: | 【目的】水平斜視手術の効果を検討した。 【対象および方法】対象は国際医療福祉大学病院で平成17年3月~平成22年3月に水平斜視手術を行った27例(内斜視8例と外斜視19例)で、手術時年齢は4~18歳(8.0±3.4歳)であった。術前にPrism Adaptation Testを行い、外斜視ではさらにBasic Deviation(起床時から夕方までの一眼遮閉)で測定した斜視角を参考に手術量を決定した。内斜視の手術量はSPCTの値を用いた。術式は全例両眼等量後転術である。術後はSPCT、APCT、大型弱視鏡の他覚的斜視角測定を行い、遠見眼位の値を術前と比較した。最終受診時(術後29.9±16.8ヶ月)の遠見第一眼位が15△以内を結果良好と判定した。 【結果】内斜視の63%、外斜視の79%が結果良好であり、矯正効果は内斜視が平均4.0±1.7△/mm、外斜視は平均2.6±0.7△/mmであった。一方、術前斜視角40△未満の症例に限定した場合には内斜視・外斜視とも全例が良好と評価され、術後残余斜視角は内斜視で2.0±2.8△、外斜視で2.8±2.8△であった。外斜視の術後のもどりは、術後1ヶ月で2.8±5.8△、最終受診時で5.9±8.2△と軽度であった。内斜視では1例が術後5ヶ月で外斜視に移行し、1例が術直後に比べ14△の内斜偏位の増大を示した。 【結論】内斜視と外斜視ともに術前斜視角が40△未満の症例では十分な矯正効果が得られたが、40△以上の症例では矯正効果は十分とは言えず、今後の検討が必要である。 |
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| ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
| DOI: | 10.4263/jorthoptic.040F103 |