5-ALA PDDは悪性神経膠腫以外の脳腫瘍においても有効か!?~転移性脳腫瘍における有用性と術前画像解析
脳腫瘍において,5-アミノレブリン酸(ALA)を用いた光線力学的診断(photodynamic diagnosis: PDD)の有用性はすでに周知されており,2013年には摘出率向上を目的して悪性神経膠腫に対する5-ALA製剤の術前投与が保険承認された.当教室では以前より様々な脳腫瘍に対する5-ALA-PDDを施行しており,蛍光強度の評価は従来行われている術者による主観的評価(肉眼的な3段階評価)に加え,分光スペクトル解析による蛍光強度の定量的評価(蛍光輝度計による測定)を用いている.本稿では,第一にわれわれが行ってきた神経膠腫以外の脳腫瘍に対する5-ALA投与による蛍光強度について,第二に近...
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Published in | 日本レーザー医学会誌 Vol. 44; no. 2; pp. 178 - 185 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
15.07.2023
日本レーザー医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0288-6200 1881-1639 |
DOI | 10.2530/jslsm.jslsm-44_0026 |
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Summary: | 脳腫瘍において,5-アミノレブリン酸(ALA)を用いた光線力学的診断(photodynamic diagnosis: PDD)の有用性はすでに周知されており,2013年には摘出率向上を目的して悪性神経膠腫に対する5-ALA製剤の術前投与が保険承認された.当教室では以前より様々な脳腫瘍に対する5-ALA-PDDを施行しており,蛍光強度の評価は従来行われている術者による主観的評価(肉眼的な3段階評価)に加え,分光スペクトル解析による蛍光強度の定量的評価(蛍光輝度計による測定)を用いている.本稿では,第一にわれわれが行ってきた神経膠腫以外の脳腫瘍に対する5-ALA投与による蛍光強度について,第二に近年増加傾向にある転移性脳腫瘍に対する5-ALA-PDDの特徴やその有用性について,最後に以前から行われているnavigationガイドによるneedle biopsyについて,補助光源の有用性などを含めて紹介する.現在もなお5-ALA投与に伴う脳腫瘍の蛍光機序は明らかになっていないが,実臨床における5-ALA-PDDのさらなる発展のために,我々のデータをもとに概説する. |
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ISSN: | 0288-6200 1881-1639 |
DOI: | 10.2530/jslsm.jslsm-44_0026 |