骨粗鬆症性椎体骨折後後弯変形に対する前縦靭帯深層切除併用lateral access corpectomyにおける放射線学的検討

目的:骨粗鬆症性椎体骨折後後弯変形(KOVF)に対する前縦靭帯深層切除併用lateral access corpectomy(LACADR)における放射線学的成績を検討した.対象及び方法:当院にてLACADR及び経皮的椎弓根スクリュー(PPS)を用いて手術施行し2年以上経過観察可能であったKOVFを有する患者12名を対象とした.平均年齢は72.5歳,平均経過観察期間は35.3ヶ月であった.骨折椎体,手術手順,術中出血量及び手術時間,前方椎体間距離(AID)と後方椎体間距離(PID),骨片脊柱管占拠率,局所後弯角(LK),各種脊柱骨盤パラメーター,骨癒合率,ODI,合併症を調査検討した.手術手順...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 14; no. 8; pp. 1099 - 1108
Main Authors 田中, 貴大, 政田, 亘平, 足立, 崇, 齋藤, 貴徳, 谷口, 愼一郎, 川島, 康輝, 谷, 陽一, 石原, 昌幸, 安藤, 宗治, 朴, 正旭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.08.2023
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2023-0805

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Summary:目的:骨粗鬆症性椎体骨折後後弯変形(KOVF)に対する前縦靭帯深層切除併用lateral access corpectomy(LACADR)における放射線学的成績を検討した.対象及び方法:当院にてLACADR及び経皮的椎弓根スクリュー(PPS)を用いて手術施行し2年以上経過観察可能であったKOVFを有する患者12名を対象とした.平均年齢は72.5歳,平均経過観察期間は35.3ヶ月であった.骨折椎体,手術手順,術中出血量及び手術時間,前方椎体間距離(AID)と後方椎体間距離(PID),骨片脊柱管占拠率,局所後弯角(LK),各種脊柱骨盤パラメーター,骨癒合率,ODI,合併症を調査検討した.手術手順は側臥位としextreme lateral interbody fusion(XLIFⓇ)の開創器をもちいてLACADR及び椎体置換を行い,次いで腹臥位となりPPSを用いて後方固定を行う.LACADRに関しては骨折椎体の頭尾側いずれかの繊維輪及びALL深層をコブにて鈍的に切離し,背側より徒手整復し,その状態を保持したままX-coreⓇを設置する.結果:骨折椎体はT11が1例,T12が10例,L1が4例,L2が1例であった.手術手順は後方椎間関節における骨融合を有する症例はなく,全例前方LACADRを先に行い,その後後方PPS固定を行った.出血量は365±150 ml,手術時間は207±92分,AIDは術前19.5±5.0 mmが最終37.5±5.9 mmに改善,PIDは術前25.0±3.3 mmが最終35.1±4.5 mmに改善した.骨片脊柱管占拠率は術前44.3±13.1%が術直後34.6±10.4%,最終29.3±8.9%であり有意に改善していた.LKは術前37.4±4.5°がLACADR後3.9±2.2°,PPS後3.6±2.3°,最終4.6±3.7°であり,術後有意に改善,維持されていた.SVAは術前56.7±48.5 mmが術後33.0±26.2 mm,TKは術前44.3±14.5°が術後32.6±12.1°と有意に改善した.骨癒合率は術後12ヶ月で85%,最終92%であった.骨癒合形態は架橋形成型もしくは架橋形成+椎体間癒合型は83%,cage内癒合型は17%であった.ODIは術前69.2±13.1が最終16.5±5.3に改善した.合併症は術中終板損傷1例,cage沈下2例,proximal junctional kyphosis1例,壁側胸膜損傷を4例認めた.結語:KOVFに対するLACADRの臨床成績を調査した.十分な矯正及びその維持,間接除圧効果,骨癒合が確認された.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2023-0805