成人脊柱変形に対するmulti-rodを用いたcircumferential minimally invasive surgeryにおけるロッド折損危険因子の検討

目的:成人脊柱変形(ASD)に対して側方経路腰椎椎体間固定(LLIF),経皮的椎弓根スクリュー(PPS),multi rodを使用したcircumferential minimally invasive surgery(CMIS)-multi rodにおけるロッド折損(RF)危険因子を検討した.対象及び方法:2018年以降当院にてCMIS-multi rodを施行し2年以上経過観察可能であったASD患者102名を対象とした.固定範囲は全例下位胸椎から骨盤までとした.平均年齢は72.1歳,平均経過観察期間は54ヶ月であった.Rodは全例5.5 mmチタン合金を3本使用した.折損の割合,折損時期,...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 14; no. 7; pp. 1012 - 1022
Main Authors 田中, 貴大, 政田, 亘平, 足立, 崇, 齋藤, 貴徳, 谷口, 愼一郎, 川島, 康輝, 谷, 陽一, 石原, 昌幸, 安藤, 宗治, 朴, 正旭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.07.2023
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2023-0706

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Summary:目的:成人脊柱変形(ASD)に対して側方経路腰椎椎体間固定(LLIF),経皮的椎弓根スクリュー(PPS),multi rodを使用したcircumferential minimally invasive surgery(CMIS)-multi rodにおけるロッド折損(RF)危険因子を検討した.対象及び方法:2018年以降当院にてCMIS-multi rodを施行し2年以上経過観察可能であったASD患者102名を対象とした.固定範囲は全例下位胸椎から骨盤までとした.平均年齢は72.1歳,平均経過観察期間は54ヶ月であった.Rodは全例5.5 mmチタン合金を3本使用した.折損の割合,折損時期,折損レベルを調査し,さらに折損群(RF群)と折損無し群(non RF群)において術前後各種パラメーター等比較検討した.結果:折損レベルはL3/4で1例,L4/5で9例,L5/S1で3例認め,L4/5のうち2例は癒合後折損であり,また13例中7例は前縦靭帯(ALL)損傷を合併していた.二群間において年齢,性差,ロッド素材,ロッド径,ロッド本数において有意差は認めなかった.RF群において術前後PI,術前及びLLIF後,術後のPI-LL,術前及びLLIF後2/3PI-LLL,PPSによるLLL変化量(PPSΔLLL),術後PTが有意に大きく,術前LLL及び術前TKが有意に小さかった.P<0.01であった術前後PI,術後PI-LL,術前及びLLIF後2/3PI-LLL,PPSΔLLL及びALL損傷の7項目を独立変数とし,多変量解析を行った結果PPSΔLLL及びALL損傷が危険因子となり,ROC解析にてPPSΔLLLのカットオフ値は8度であった.結語:ASDに対するCMIS-multi-rodにおけるRF危険因子を検討した.PPSΔLLL及びALL損傷がRF危険因子であった.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2023-0706