中高齢者の慢性腰痛やロコモに対するRECOREⓇを用いた腹部体幹筋トレーニングと体幹安定性評価の有用性

超高齢社会を迎えたわが国において,中高齢者の慢性腰痛やロコモに対する有効かつ継続可能な運動療法は,患者のQOL向上や健康寿命延伸に向けて非常に重要な施策である.我々は,慢性腰痛やロコモを有する患者(特に高齢者)に適した体幹運動器具RECOREⓇ(リコア)を開発した.この運動器具を用いて,腹筋群や横隔膜,骨盤底筋を含めた腹部体幹筋の筋力測定と強化が腰部に負担をかけることなく実施できる.これらの筋群は,腹腔を取り囲むMuscular Boxを形成し,協調的に働いて腹圧の調節や安定化に寄与して体幹を支持する機能を有する.我々の研究により,腹部体幹筋力の低下が慢性腰痛や運動機能低下,骨粗鬆症性椎体骨折...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 13; no. 6; pp. 823 - 828
Main Author 加藤, 仁志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.06.2022
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2022-0604

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Summary:超高齢社会を迎えたわが国において,中高齢者の慢性腰痛やロコモに対する有効かつ継続可能な運動療法は,患者のQOL向上や健康寿命延伸に向けて非常に重要な施策である.我々は,慢性腰痛やロコモを有する患者(特に高齢者)に適した体幹運動器具RECOREⓇ(リコア)を開発した.この運動器具を用いて,腹筋群や横隔膜,骨盤底筋を含めた腹部体幹筋の筋力測定と強化が腰部に負担をかけることなく実施できる.これらの筋群は,腹腔を取り囲むMuscular Boxを形成し,協調的に働いて腹圧の調節や安定化に寄与して体幹を支持する機能を有する.我々の研究により,腹部体幹筋力の低下が慢性腰痛や運動機能低下,骨粗鬆症性椎体骨折の既往や発症リスクに関連することが示され,RECOREⓇを用いることで腹部体幹筋力の強化が可能であり,この筋力強化が慢性腰痛やロコモの改善に有用であることが示されている.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-0604