一般中高齢者集団を用いたびまん性特発性骨増殖症と身体機能に関する検討

はじめに:びまん性特発性骨増殖症(DISH)を有すると脊椎が骨性に架橋され,脊椎の可動性が低下することから,いくつかの研究においてDISHと身体機能との関連について述べられているが,一定の見解が得られていない.本研究の目的は,一般中高齢者集団におけるDISHと身体機能との関連について検討することである.対象と方法:住民台帳から無作為に抽出された候補者を,各年齢層ごと男女それぞれ約50人ずつ選出し,合計411名が対象となった.全脊椎側面X線像撮影および運動機能評価を行った.DISH群と非DISH群に分け,運動機能を比較検討した.結果:DISHは66名(16.1%)に認めた.各年代,性別ごとに評価...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 14; no. 1; pp. 25 - 30
Main Authors 加藤, 博之, 西村, 輝, 酒井, 典子, 池上, 章太, 高橋, 淳, 上原, 将志, 堀内, 博志, 常田, 亮介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.01.2023
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2022-0016

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Summary:はじめに:びまん性特発性骨増殖症(DISH)を有すると脊椎が骨性に架橋され,脊椎の可動性が低下することから,いくつかの研究においてDISHと身体機能との関連について述べられているが,一定の見解が得られていない.本研究の目的は,一般中高齢者集団におけるDISHと身体機能との関連について検討することである.対象と方法:住民台帳から無作為に抽出された候補者を,各年齢層ごと男女それぞれ約50人ずつ選出し,合計411名が対象となった.全脊椎側面X線像撮影および運動機能評価を行った.DISH群と非DISH群に分け,運動機能を比較検討した.結果:DISHは66名(16.1%)に認めた.各年代,性別ごとに評価を行うと,立ち上がりテストの60歳代男性と全年代男性,2ステップテストの80歳代男性と全年代男性においてDISH群が有意に低かった.ロコモ25は全年代男性において,DISH群が有意に高かった.また,多変量解析の結果,DISHは立ち上がりテストと2ステップテストの低い結果と有意な関連があった.結語:一般中高齢者集団において,DISHの存在が身体機能テストの低い結果と関連があることが示唆された.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-0016