成人脊柱変形手術の患者満足度を規定する因子は何か

はじめに:成人脊柱変形(ASD)に対する矯正固定術は良好な成績が報告されているが,体幹柔軟性低下や高い合併症率の問題があり,患者評価を把握しておくことが重要である.今回満足度を規定する因子について独自質問票を用いて調査した.対象と方法:対象はASDに対して矯正固定術を行い1年以上経過観察できた55例で,調査項目は,背景データ,手術データ,術前,最終時の画像パラメータ,最終時のSRS-22R,ODIとした.独自質問票を用い,腰背部痛,整容,バランス,食欲の4つの項目を5段階評価,体幹柔軟性に関する5種のADL評価,手術期待度,達成度,満足度も調査した.SRS-22Rのsatisfaction4....

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Published inJournal of Spine Research Vol. 12; no. 9; pp. 1143 - 1151
Main Authors 岩﨑, 幹季, 奥田, 眞也, 髙橋, 佳史, 武中, 章太, 古家, 雅之, 海渡, 貴司, 長本, 行隆, 松本, 富哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.09.2021
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2020-0033

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Summary:はじめに:成人脊柱変形(ASD)に対する矯正固定術は良好な成績が報告されているが,体幹柔軟性低下や高い合併症率の問題があり,患者評価を把握しておくことが重要である.今回満足度を規定する因子について独自質問票を用いて調査した.対象と方法:対象はASDに対して矯正固定術を行い1年以上経過観察できた55例で,調査項目は,背景データ,手術データ,術前,最終時の画像パラメータ,最終時のSRS-22R,ODIとした.独自質問票を用い,腰背部痛,整容,バランス,食欲の4つの項目を5段階評価,体幹柔軟性に関する5種のADL評価,手術期待度,達成度,満足度も調査した.SRS-22Rのsatisfaction4.0で2群に分け多変量解析にて満足要因を抽出した.結果:82%が満足であった.術前期待が達成された場合95%で満足が得られたが,達成されないと55%に留まり有意差を認めた.満足要因として,腰背部痛の改善,ΔLL,ΔPTが同定された.結語:満足度に寄与したのは腰背部痛の改善,LLとPTの獲得であった.術前期待の達成も満足度に重要で,期待達成のために術前の患者理解が必須である.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2020-0033