Branchio-oto-renal 症候群に脳海綿状血管腫を合併し,EYA1 の新規変異を認めた1 例

Branchio-oto-renal (BOR) 症候群は鰓原性器官の形態異常,難聴,腎尿路異常を3 主徴とする症候群であり,EYA1 の異常が病因の一つとされている。EYA1 に新規の変異を認め,脳海綿状血管腫 (cerebral cavernous malformation: CCM) を合併したBOR 症候群を経験した。症例は1 歳10 か月の女児。出生時に両側側頸瘻,両側の難聴,両側の水腎・水尿管症を認めたためBOR 症候群と診断した。また母親は耳前瘻孔と難聴を認めていた。突然の無熱性強直間代性痙攣を発症し,MRI にて右頭頂葉にCCM を認め,遺伝子解析にてEYA1 のexon 13...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 31; no. 1; pp. 44 - 50
Main Authors 飯島, 一誠, 井上, 杏海, 若林, 誉幸, 近藤, 健夫, 日下, 隆, 福家, 典子, 入江, 加奈子, 小西, 行彦, 岩城, 拓磨, 森貞, 直哉, 岡田, 仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児腎臓病学会 2018
日本小児腎臓病学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-2245
1881-3933
DOI10.3165/jjpn.cr.2017.0126

Cover

More Information
Summary:Branchio-oto-renal (BOR) 症候群は鰓原性器官の形態異常,難聴,腎尿路異常を3 主徴とする症候群であり,EYA1 の異常が病因の一つとされている。EYA1 に新規の変異を認め,脳海綿状血管腫 (cerebral cavernous malformation: CCM) を合併したBOR 症候群を経験した。症例は1 歳10 か月の女児。出生時に両側側頸瘻,両側の難聴,両側の水腎・水尿管症を認めたためBOR 症候群と診断した。また母親は耳前瘻孔と難聴を認めていた。突然の無熱性強直間代性痙攣を発症し,MRI にて右頭頂葉にCCM を認め,遺伝子解析にてEYA1 のexon 13 に新規の変異をヘテロで認めた。EYA1 の変異を伴うBOR症候群にCCM を合併する症例は今までに報告がないため報告する。
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.cr.2017.0126