腹膜透析患者に生じた腰椎硬膜外アミロイド腫瘤の一例
腰椎硬膜外にアミロイド腫瘤を認めた症例を経験したので報告する.症例は69歳男性,糖尿病性腎症による慢性腎不全に対し7年間の腹膜透析中であった.特に誘因なく左臀部~下肢後面痛を訴え受診.腰椎MRIにてL4椎体レベルにT1強調像にて低信号,T2強調像にて不均一な高信号を示す直径約10mmの領域を認め,馬尾を圧迫していた.同腫瘤は造影MRIにおいて嚢腫状を呈し,また椎弓外にも腫瘤性病変を認めたため,硬膜外膿瘍および硬膜外腫瘍を疑い,腫瘍摘出術,椎弓切除術を施行した.術中黄色靭帯下に硬膜と癒着する灰白色の組織を認めた.摘出標本には好酸性の硝子様無構造物が沈着しており,コンゴーレッド染色で陽性を示しアミ...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 57; no. 2; pp. 319 - 323 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2008
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.57.319 |
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Summary: | 腰椎硬膜外にアミロイド腫瘤を認めた症例を経験したので報告する.症例は69歳男性,糖尿病性腎症による慢性腎不全に対し7年間の腹膜透析中であった.特に誘因なく左臀部~下肢後面痛を訴え受診.腰椎MRIにてL4椎体レベルにT1強調像にて低信号,T2強調像にて不均一な高信号を示す直径約10mmの領域を認め,馬尾を圧迫していた.同腫瘤は造影MRIにおいて嚢腫状を呈し,また椎弓外にも腫瘤性病変を認めたため,硬膜外膿瘍および硬膜外腫瘍を疑い,腫瘍摘出術,椎弓切除術を施行した.術中黄色靭帯下に硬膜と癒着する灰白色の組織を認めた.摘出標本には好酸性の硝子様無構造物が沈着しており,コンゴーレッド染色で陽性を示しアミロイドーシスの診断に至った. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.57.319 |