気管に限局した再発性多発軟骨炎の1例

症例は62歳, 女性. 2012年12月, のどの違和感のため多量に飲水するようになった. 2013年10月, 呼吸不全から JCS200 の意識障害を来し当院に救急搬送された. CT で食道の拡張と気管の閉塞を認め, 気管内挿管により呼吸状態は改善したが, 抜管困難と判断し気管切開を施行した. 気管切開後の気管内腔は, 咳嗽に伴い変形狭窄し, 膜様部の縦縞や気管軟骨輪も消失し, 頻回の呼吸困難発作もみられるため, 気管軟化症と診断した. 気管切開時に生検した気管軟骨の病理所見と抗Ⅱ型コラーゲン抗体陽性所見より, 気管軟化症で初発した再発性多発軟骨炎と診断した. 本症例の病態につき, 文献的考...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 118; no. 9; pp. 1150 - 1154
Main Authors 窪田, 和, 山崎, 洋大, 森, 香織, 植木, 雄志, 山本, 裕, 石岡, 孝二郎, 松山, 洋, 堀井, 新, 髙橋, 姿
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.09.2015
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.118.1150

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Summary:症例は62歳, 女性. 2012年12月, のどの違和感のため多量に飲水するようになった. 2013年10月, 呼吸不全から JCS200 の意識障害を来し当院に救急搬送された. CT で食道の拡張と気管の閉塞を認め, 気管内挿管により呼吸状態は改善したが, 抜管困難と判断し気管切開を施行した. 気管切開後の気管内腔は, 咳嗽に伴い変形狭窄し, 膜様部の縦縞や気管軟骨輪も消失し, 頻回の呼吸困難発作もみられるため, 気管軟化症と診断した. 気管切開時に生検した気管軟骨の病理所見と抗Ⅱ型コラーゲン抗体陽性所見より, 気管軟化症で初発した再発性多発軟骨炎と診断した. 本症例の病態につき, 文献的考察を加え報告する.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.118.1150