肘関節内側側副靭帯上腕骨起始部の陳旧性裂離骨折に対して骨接合を行った2例
骨端線閉鎖後の肘関節内側側副靭帯上腕骨起始部の陳旧性裂離骨折(以下陳旧性裂離骨折)に対する手術法は,腱移植を用いた靭帯再建術が主流であり,骨接合を行った報告は少ない.今回陳旧性裂離骨片を元来の位置にスクリュー固定した症例を報告する.2例とも右肘内側部痛のため,投球困難となり来院した.術前可動域(ROM)は制限なく,外反ストレステストは陰性であったが,上腕骨起始部に圧痛を認め,投球ストレステスト(肩関節外転・外旋位からの抵抗下の内旋)で疼痛を生じた.手術では肘関節90°屈曲位で裂離骨片をスクリューを用いて骨接合したが,術直後は伸展制限を認めた.術後3週から自動可動域訓練を開始した.術後6週で骨癒...
Saved in:
Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 59; no. 4; pp. 893 - 895 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2010
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.59.893 |
Cover
Summary: | 骨端線閉鎖後の肘関節内側側副靭帯上腕骨起始部の陳旧性裂離骨折(以下陳旧性裂離骨折)に対する手術法は,腱移植を用いた靭帯再建術が主流であり,骨接合を行った報告は少ない.今回陳旧性裂離骨片を元来の位置にスクリュー固定した症例を報告する.2例とも右肘内側部痛のため,投球困難となり来院した.術前可動域(ROM)は制限なく,外反ストレステストは陰性であったが,上腕骨起始部に圧痛を認め,投球ストレステスト(肩関節外転・外旋位からの抵抗下の内旋)で疼痛を生じた.手術では肘関節90°屈曲位で裂離骨片をスクリューを用いて骨接合したが,術直後は伸展制限を認めた.術後3週から自動可動域訓練を開始した.術後6週で骨癒合を認め,術後6ヵ月で可動域制限・疼痛なく,全力投球が可能となった. |
---|---|
ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.59.893 |