過大なカフ圧および気管カニューレの固定不良により椎体変形を来した筋ジストロフィー症例

進行性筋ジストロフィーは骨格筋の変性と筋脱力を主徴とする疾患であり, 進行性に呼吸不全を生じると気管切開による人工呼吸器管理が必要となりカニューレによる合併症を起こしやすい. 今回, Duchenne 型筋ジストロフィーの1例で長期人工呼吸器管理中に, 過大なカフ圧および気管カニューレの固定不良により気管孔の拡大および椎体変形を合併した症例を経験した. カニューレの固定方法, 適切なカニューレの選択, および同一部位にカフ圧がかかることを避ける工夫等カニューレ管理を工夫することで在宅療養に移行できた. 在宅での長期人工呼吸器管理が必要な神経筋疾患患者では, 適切なカニューレ管理が可能な環境を整...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 122; no. 9; pp. 1229 - 1234
Main Authors 松本, 悠, 柴田, 邦彦, 井上, 綾佳, 佐久間, 直子, 木谷, 有加, 木谷, 洋輔, 小松, 正規, 折舘, 伸彦, 笠井, 理行, 畠山, 博充
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.09.2019
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.122.1229

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Summary:進行性筋ジストロフィーは骨格筋の変性と筋脱力を主徴とする疾患であり, 進行性に呼吸不全を生じると気管切開による人工呼吸器管理が必要となりカニューレによる合併症を起こしやすい. 今回, Duchenne 型筋ジストロフィーの1例で長期人工呼吸器管理中に, 過大なカフ圧および気管カニューレの固定不良により気管孔の拡大および椎体変形を合併した症例を経験した. カニューレの固定方法, 適切なカニューレの選択, および同一部位にカフ圧がかかることを避ける工夫等カニューレ管理を工夫することで在宅療養に移行できた. 在宅での長期人工呼吸器管理が必要な神経筋疾患患者では, 適切なカニューレ管理が可能な環境を整えることが必要である.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.122.1229