尿蛋白/尿クレアチニン比の基準値は尿蛋白定量法に依存する

【背景】2019 年に尿蛋白定量法をピロガロールレッド(PR) 法から塩化ベンゼトニウム(BC) 法に変更後,尿蛋白/尿クレアチニン(Cr)比 0.15 g/gCr 以上の症例が増加したため,原因究明を目的とした.【方法】2017 年 4月より 3年連続して,年 1 回以上,当院で検尿を行った小中学生のうち,診断名が尿異常・無症候性血尿の症例を対象とし,早朝尿の尿蛋白/尿 Cr 比等を調べた.【結果】対象は 74 人(男性 22 人,女性 52 人,2019 年時の年齢の中央値 12.3 歳)であった.尿蛋白/尿 Cr 比の中央値は,PR 法を用いた 2017,2018 年度(各々 0.09,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 33; no. 2; pp. 123 - 129
Main Authors 土持, 太一郎, 植木, 英亮, 野口, 靖, 張田, 豊, 櫻井, 彩子, 森, 一越, 川村, 研, 古舘, 和季, 眞戸原, 晴香, 五十嵐, 俊次, 寺田, 和樹, 池田, 弘之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児腎臓病学会 2020
日本小児腎臓病学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-2245
1881-3933
DOI10.3165/jjpn.oa.2020.0178

Cover

More Information
Summary:【背景】2019 年に尿蛋白定量法をピロガロールレッド(PR) 法から塩化ベンゼトニウム(BC) 法に変更後,尿蛋白/尿クレアチニン(Cr)比 0.15 g/gCr 以上の症例が増加したため,原因究明を目的とした.【方法】2017 年 4月より 3年連続して,年 1 回以上,当院で検尿を行った小中学生のうち,診断名が尿異常・無症候性血尿の症例を対象とし,早朝尿の尿蛋白/尿 Cr 比等を調べた.【結果】対象は 74 人(男性 22 人,女性 52 人,2019 年時の年齢の中央値 12.3 歳)であった.尿蛋白/尿 Cr 比の中央値は,PR 法を用いた 2017,2018 年度(各々 0.09,0.08 g/gCr)に対し,BC 法を用いた 2019 年度は 0.14 g/gCr と高値であった.【結論】BC 法を尿蛋白定量に用いた場合,PR 法と比較し尿蛋白/尿 Cr 比は高くなる傾向にあった.尿蛋白/尿 Cr 比を評価する際,尿蛋白定量法にも注意する必要がある.
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.oa.2020.0178