腰仙椎低侵襲多椎間固定術におけるL5/S1局所前弯及び骨癒合不全危険因子の検討

目的:腰仙椎多椎間固定術後L5/S1レベルでの骨癒合不全は少なくない.腰仙椎多椎間固定術後L5/S1レベルにおける骨癒合率及び獲得局所前弯角,骨癒合不全危険因子を検討した.対象:2014年以降当院で腰仙椎固定術を行い術後2年以上経過観察可能であった35例に関して後ろ向きに,L5/S1における固定椎間数別骨癒合率,cage個数別骨癒合率,cage素材別骨癒合率,cage前弯角度局所前弯角(以下SL)等を比較検討した.結果:2椎間固定(L4/5/S)8例,3椎間固定(L3/4/5/S)11例,4椎間固定(L2/3/4/5/S)16例であった.骨癒合率は2椎間固定87%,3椎間固定:73%,4椎間固...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJournal of Spine Research Vol. 14; no. 8; pp. 1173 - 1180
Main Authors 田中, 貴大, 政田, 亘平, 足立, 崇, 齋藤, 貴徳, 谷口, 愼一郎, 川島, 康輝, 谷, 陽一, 石原, 昌幸, 安藤, 宗治, 朴, 正旭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.08.2023
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2023-0815

Cover

More Information
Summary:目的:腰仙椎多椎間固定術後L5/S1レベルでの骨癒合不全は少なくない.腰仙椎多椎間固定術後L5/S1レベルにおける骨癒合率及び獲得局所前弯角,骨癒合不全危険因子を検討した.対象:2014年以降当院で腰仙椎固定術を行い術後2年以上経過観察可能であった35例に関して後ろ向きに,L5/S1における固定椎間数別骨癒合率,cage個数別骨癒合率,cage素材別骨癒合率,cage前弯角度局所前弯角(以下SL)等を比較検討した.結果:2椎間固定(L4/5/S)8例,3椎間固定(L3/4/5/S)11例,4椎間固定(L2/3/4/5/S)16例であった.骨癒合率は2椎間固定87%,3椎間固定:73%,4椎間固定:62%であり4椎間症例で有意に骨癒合率が低かった.骨癒合群(U群)と骨癒合不全群(N群)で脊椎骨盤パラメーターを比較した結果N群で術前PI,術後PI-LL,術後SVAが有意に高く,多変量解析の結果術前PIが骨癒合不全リスクとして検出され,カットオフ値51°,AUC0.807であった.SLは,術前平均5°が術後平均10°に改善した.cageの前弯角に応じてSLが増加し,相関係数0.73,p<0.001であり有意な相関性を認めた.結語:本結果より4椎間固定症例で有意に骨癒合率が低く,PIが癒合不全の危険因子でありカットオフ値が51°であった.獲得SLはcage前弯角と相関があったが,骨癒合率においてはケージ素材,個数,前弯角と相関は認めなかった.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2023-0815