当科における脊椎術後感染対策の検討

【目的】当科における脊椎SSI予防策の効果を検証した.【対象と方法】2009年6月から2010年9月まで脊椎手術施行した286例(男166例,女120例)に対し,脊椎SSI予防策として,予防的抗菌薬投与を術当日から2~3日間施行し,術直前に術野を石鹸で洗浄した.さらに救命センター経由の入院,Instrumentation手術,アトピー性皮膚炎などの皮膚病変合併の3つの因子の中で,複数以上の因子を有する症例に対して周術期にバンコマイシン(VCM)の予防的投与(1000mg/日,2日間)を行った.【結果】SSIは286例中9例(3.1%)に発生し,SSI発生率の有意な減少は認められなかった.しかし...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 4; pp. 680 - 684
Main Authors 佐々木, 威治, 永田, 見生, 山下, 勝, 渡邊, 琢也, 密川, 守, 山田, 圭, 佐藤, 公昭, 猿渡, 敦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2011
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.60.680

Cover

More Information
Summary:【目的】当科における脊椎SSI予防策の効果を検証した.【対象と方法】2009年6月から2010年9月まで脊椎手術施行した286例(男166例,女120例)に対し,脊椎SSI予防策として,予防的抗菌薬投与を術当日から2~3日間施行し,術直前に術野を石鹸で洗浄した.さらに救命センター経由の入院,Instrumentation手術,アトピー性皮膚炎などの皮膚病変合併の3つの因子の中で,複数以上の因子を有する症例に対して周術期にバンコマイシン(VCM)の予防的投与(1000mg/日,2日間)を行った.【結果】SSIは286例中9例(3.1%)に発生し,SSI発生率の有意な減少は認められなかった.しかしメチシリン耐性ブドウ球菌(MRS)によるSSIの発生は減少していた.【考察】当科の予防策はMRS感染リスク関与因子とした救命センター経由のMRSによるSSI予防に効果的であった可能性がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.60.680