外傷性寛骨臼骨折の検討

外傷性寛骨臼骨折を生じた4例を経験した.H20. 3月からH21. 1月までに当科にて経験した同骨折4例(男性3例,女性1例),年齢34~72歳を対象とした.骨折分類はJudet-Letournel分類を用いた.後壁骨折2例(1例に骨頭骨折を合併),後壁骨折+横骨折1例,両柱骨折1例であった.初診時3例に後方脱臼を認め,徒手整復を施行した.1例は保存治療を行い,3例に手術治療を施行した.術後JOAscoreは78~91(平均85.0)であり,経過観察期間での大腿骨頭壊死や変形性関節症の出現は認められていない.寛骨臼骨折の多くは高エネルギー外傷の結果生じ,長期臥床を強いられる.早期社会復帰には手...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 59; no. 4; pp. 883 - 886
Main Authors 川畑, 英之, 川添, 泰臣, 有島, 善也, 石堂, 康弘, 本木下, 亮, 小宮, 節郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2010
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.59.883

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Summary:外傷性寛骨臼骨折を生じた4例を経験した.H20. 3月からH21. 1月までに当科にて経験した同骨折4例(男性3例,女性1例),年齢34~72歳を対象とした.骨折分類はJudet-Letournel分類を用いた.後壁骨折2例(1例に骨頭骨折を合併),後壁骨折+横骨折1例,両柱骨折1例であった.初診時3例に後方脱臼を認め,徒手整復を施行した.1例は保存治療を行い,3例に手術治療を施行した.術後JOAscoreは78~91(平均85.0)であり,経過観察期間での大腿骨頭壊死や変形性関節症の出現は認められていない.寛骨臼骨折の多くは高エネルギー外傷の結果生じ,長期臥床を強いられる.早期社会復帰には手術治療による解剖学的に良好な整復位での強固な固定を行い,受傷後早期からのリハビリ訓練が重要と考える.また将来的に変形性関節症の発症を予防するためにも手術治療は有用と考える.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.59.883