リン酸カルシウムセメントを用いて海綿骨を掻爬せずに行った椎体形成術の検討

はじめに:骨粗鬆症性椎体骨折で骨癒合不全による腰背部痛が持続する場合,リン酸カルシウムセメントを用いた椎体形成術を行うことがある.しかし術後に隣接椎体に骨折することや矯正損失に伴う後弯変形が進行することがある.当院では海面骨の掻爬を行わず,リン酸カルシウムペーストを椎体内に注入する手法で行っている.その治療成績について検討した.対象と方法:2016年12月から2021年9月の間,上記手法にて椎体形成術を行った18例27椎体(平均年齢 78歳)を後方視的に検討した.結果:海面骨を掻爬する方法と比較し,除痛効果および椎体楔状率(椎体の前縁高と後縁高の比率と定義)に差は認めなかった.最終検査時の矯正...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJournal of Spine Research Vol. 14; no. 7; pp. 1040 - 1043
Main Authors 大田, 快児, 櫻井, 公典, 楊, 宝峰, 須藤, 梓, 清水, 篤, 光山, 哲滝, 新村, 学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.07.2023
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2023-0709

Cover

More Information
Summary:はじめに:骨粗鬆症性椎体骨折で骨癒合不全による腰背部痛が持続する場合,リン酸カルシウムセメントを用いた椎体形成術を行うことがある.しかし術後に隣接椎体に骨折することや矯正損失に伴う後弯変形が進行することがある.当院では海面骨の掻爬を行わず,リン酸カルシウムペーストを椎体内に注入する手法で行っている.その治療成績について検討した.対象と方法:2016年12月から2021年9月の間,上記手法にて椎体形成術を行った18例27椎体(平均年齢 78歳)を後方視的に検討した.結果:海面骨を掻爬する方法と比較し,除痛効果および椎体楔状率(椎体の前縁高と後縁高の比率と定義)に差は認めなかった.最終検査時の矯正損失も同程度であった.脊柱管内へのセメントの漏出や肺塞栓症は認めなかった.結論:今回論じた手法でも海綿骨を掻爬する方法と比較し同等の結果を得られた.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2023-0709