高血圧性被殻出血手術症例の脳血流動態-開頭血腫除去と吸引血腫除去を比較して

高血圧性脳内出血における機能的予後の改善に対し, 外科的治療の有効性は確立されていない4)16). 外科的な血腫除去は血腫に伴う頭蓋内圧亢進の改善と血腫による周辺脳組織の二次的障害の防止を, その基本的な治療根拠としている5)8)9). しかしながら, 現在まで内科的治療との比較し, 外科治療が勝っている報告は少なく7), 重症例における救命率の点が主に強調されている2). 一方, 外科治療においても開頭血腫除去術より, 侵襲のより少ない定位的血腫吸引術が行われるようになり, 良好な結果が報告されている3)18). 高血圧性脳内出血の治療法を検討するうえで, 血腫周辺や脳全体の血流変化のみなら...

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Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 25; no. 6; pp. 445 - 451
Main Authors 吉田, 憲司, 中村, 三郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 1997
日本脳卒中の外科研究会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.25.6_445

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Summary:高血圧性脳内出血における機能的予後の改善に対し, 外科的治療の有効性は確立されていない4)16). 外科的な血腫除去は血腫に伴う頭蓋内圧亢進の改善と血腫による周辺脳組織の二次的障害の防止を, その基本的な治療根拠としている5)8)9). しかしながら, 現在まで内科的治療との比較し, 外科治療が勝っている報告は少なく7), 重症例における救命率の点が主に強調されている2). 一方, 外科治療においても開頭血腫除去術より, 侵襲のより少ない定位的血腫吸引術が行われるようになり, 良好な結果が報告されている3)18). 高血圧性脳内出血の治療法を検討するうえで, 血腫周辺や脳全体の血流変化のみならず, 治療法の差異による脳血流の経時的変化を知ることは重要な課題と考えられる. しかしながら術前後を含めて脳血流の変化について検討がなされたものは少ない17)24). 筆者は, 今回開頭血腫除去および定位的血腫吸引術を施行した高血圧性被殼出血症例に対してcold xenon enhancement CT(Xe-CT)による脳血流の測定を行い, 脳血流と術式および転帰について検討した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.25.6_445